マクラーレン・ホンダが、2015年F1第8戦オーストリアGP(6月21日決勝)に大規模な改善パッケージを投入する準備を行っていると報じられている。
マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、先週末のモナコGP決勝でポイント圏内を走行中だったにもかかわらず、またも信頼性の問題が発生してリタイアに追い込まれていた。
そのアロンソは、次戦のカナダGP(6月7日決勝)では、長いストレートがあることからホンダエンジンにとっては不利になるだろうと語ったものの、母国スペインの記者たちに対して次のように付け加えた。
■オーストリアGPが重要なレースに
「僕たちはオーストリアに向けてすごく攻撃的な計画をしているんだ。オーストリアは僕たちにとって重要なレースになるはずだよ」
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエも、レッドブルリンクで走行する今季型車MP4-30は、さまざまな改良が施されたものとなるだろうと認め、『Marca(マルカ)』に次のように続けた。
「私はアロンソに対し、モナコではあんな残念な結果になってしまったが、このプロジェクトを信じ続けて欲しいと頼んだんだ」
「我々はこれからも前進を続けるし、たくさんの新しいパーツも用意される。オーストリアでは、我々を次のレベルへと導くような改善が見られるはずだよ」
■ホンダエンジン改良版はハンガリーGPでお目見えか?
報じられているところによれば、その改良の主要な部分は空力に関するものだという。そして、ホンダではそこから約1か月後に行われるハンガリーGP(第10戦/7月26日決勝)に向けて、今季手にしている9枚のトークン(開発引換券のようなもの)のほとんどを使って大きな改善を施すことになると考えられている。
ブーリエは、エンジンに関することについては具体的な発言は行わず、ホンダの「準備が整い次第」改良が加えられることになるだろうと語るにとどまっている。
■今季はシーズンそのものがテスト
一方、アロンソは、マクラーレン・ホンダにとって2015年は基本的に「テスト」のためのシーズンであり、自分たちには辛抱が必要であることは分かっていると語り、「冬にテストをするのではなく、シーズンを通じてテストをしているんだ」と付け加えた。
ブーリエは、アロンソも、そしてチームメートのジェンソン・バトンも、マクラーレン・ホンダの計画に関しては完全に理解をしてくれていると主張している。
「もし、今季から活躍できるだろうなどと彼らに言うのは間違いだよ」
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』にそう語ったブーリエは、次のように付け加えた。
「長期的プロジェクトを成功させるために一番重要なことは、信頼と透明性だからね」