メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが、チームメートであり最大のライバルでもあるルイス・ハミルトンを破って2015年のF1タイトルを獲得するためには、さらに自分の調子を上げていくことが必要だと語った。
【結果】F1モナコGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
ロズベルグは、24日(日)に行われたF1モナコGP(第6戦)で幸運な勝利を手にし、前戦スペインGPから2連勝を達しするとともに、有名なモナコGPでの3連覇を成し遂げていた。ロズベルグが連勝を飾ったのは、これまでのF1キャリアにおいて初めてのことだった。
今シーズン序盤は、ハミルトンが着実に連勝を重ねる中、今一つリズムに乗ることができていなかったロズベルグ。だが、この2連勝で気分も楽になったことは間違いないだろう。モナコGPの前には20ポイントの差がついていたチャンピオン争いも、今や10ポイントにまでその差が縮まっている。
だが、母国ドイツの『Bild(ビルト)』紙のコラムの中で、ロズベルグは今回のモナコでの勝利は、過去10年に及ぶF1キャリアの中で「最も幸運」なものだったと認めている。
予選でハミルトンに敗れたロズベルグは、レースでもそのペースについていくことができていなかった。レース終盤のセーフティカー導入時にハミルトンがピットに戻るという作戦ミスを犯さなければ、今回もハミルトンが優勝をさらっていたであろうことは明らかだ。
「ルイスは週末を通じてずっと僕よりも速かった。だから、彼はものすごくがっかりしているに違いないよ」
そう語ったロズベルグは、次のように続けた。
「週末を通じてすべてうまくやっていたのに、たった1秒で勝利を逃してしまったわけだからね」
「僕も昨年のブダペスト(ハンガリーGP)で同じ問題を抱えたことがある。僕は10秒のリードを保っていたんだ。それなのにセーフティカーがまずいタイミングで導入されてしまい、僕は突然5番手に落ちてしまったんだ。本当に怖い話さ」
ロズベルグは、連勝を飾ることができたのはうれしいものの、自分が幻想を抱くようなことはないと主張。ハミルトンを本当に実力で倒すためには、さらに調子を上げていくことが必要だと考えている。
「このレースは、僕にとって警告のようなものだったんだ」
「2週間後のカナダGP(6月7日決勝)に向けてさらにギアを上げていく必要がある。ルイスはさらに強くなって戻ってくるだろうからね。そして、彼はこれからさらに危険な男になるよ!」
今回のメルセデスAMGの作戦ミスには各方面から批判的な声が寄せられている。ハミルトンから勝利を奪っただけにとどまらず、楽々と1-2フィニッシュできていたはずのレースでフェラーリのセバスチャン・ベッテルに2位のポジションまで奪われてしまったからだ。
だが、ロズベルグは『SID通信』に対して次のように語った。
「実際に何が起こったのかは知らないんだ」
「でも、僕たちには最高の戦略担当者がついていると思っている。彼らはいつも素晴らしい仕事をしているけれど、今回のケースではうまくいかなかったということだ。それに、実際にチームとして失った合計ポイントはたった3ポイントしかないんだからね」とチームを擁護するロズベルグだった。