マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが、F1は過去10年の間に間違った方向へ向かってしまっていたと語った。
2015年には、F1の下位カテゴリーであるGP2などが、ラップタイムやドライビング技術などにおいてF1とそれほど差がないところまで来ていると言われている。そして、そうしたジュニアカテゴリーのフォーミュラカーのほうが、現在のF1よりも明らかに大きく迫力のある音を発生している。
アロンソのチームメートであるジェンソン・バトンも、かつてはそうではなかったと主張している。バトンは2000年代中盤のことを思い起こしながら次のように語った。
「あのころは3リッターのV10エンジンだった。900馬力あって、回転数は21,000にまで達していた。それにタイヤ戦争もあった。あのころは素晴らしかったよ。だけど時代は変わってしまった」
だが、その時代も再び変わるかもしれない。14日(水)にイギリスで行われたF1意思決定機関ストラテジー・グループの会議において、2017年からは1周あたりタイムを6秒短縮することが必要だという意見で一致したと伝えられている。
■今のF1の方向性が間違っているのは観客席を見れば分かる
そのためには、「7年か8年前のルールを再び復活させる必要がある」と語ったアロンソは、次のように続けた。
「というのは、過去4年か5年の間に僕たちは間違った方向に進んでしまっていたからだよ」
F1ドライバーによって組織される任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)では、F1が現在抱える問題を解決するための手法を研究するためのヒントにすべく、F1モナコGP(24日決勝)開催期間中に世界中のファンに対して意識調査を行うことにしている。
だが、アロンソは、ファンはすでにそうしたことについて十分に語ってきていると考えている。
「観客席を見ればそれが分かると思うよ。観客席がガラガラだから、僕たちはGP2のクルマより1秒速く走ることができないんだ」とアロンソは皮肉をこめたコメントを行った。
■何かを変える必要があるとドライバーたち
20日(水)には、キミ・ライコネン(フェラーリ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)、ダニエル・リカルド(レッドブル)、ロマン・グロージャン(ロータス)なども同様の意見を口にしている。
普段はこうした問題にあまり自分の考えを積極的に語ろうとしないライコネンでさえ、次のように語った。
「今後もっと面白くするために、そして僕たちドライバーにとってももっとやりがいがあるようにするために、何かを変えなくてはならないのは明らかだよ」
一方、GPDAの委員を務める4年連続F1チャンピオンの称号を持つセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、今後復活が予定されているレース中の燃料給油がそうした問題解決の特効薬になるかどうかはよく分からないと『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「何年か前に廃止されたんだけど、またそれを復活させるらしいね。僕はよく知らないけれど」
「でも、もっと速くなるのであれば、何であれ歓迎だよ」