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F1界を襲ったフェラーリショック。「赤いセーターを着た」とニキ・ラウダ

2015年02月04日(水)17:45 pm

2015年にはフェラーリがメルセデスAMGの最大のライバルとして復活を遂げることになるかもしれない。

イタリアの名門F1チームであるフェラーリだが、長くタイトルから遠ざかり、新エンジンルールが導入された2014年にはさらにその低迷ぶりが深刻な状況に陥った。これを受け、フェラーリでは長年君臨してきた前会長のルカ・ディ・モンテゼモーロを始め、これまでチームを背負ってきた多くの人材が一掃され、新最高責任者のセルジオ・マルキオンネ、そして新チーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネのもとにチーム再建が目指されている。

だが、今年はF1最強ドライバーとの呼び声も高いフェルナンド・アロンソが離脱しマクラーレンへと移籍。その後任にレッドブルから4度F1タイトルを獲得した実績を持つセバスチャン・ベッテルを迎え入れたものの、フェラーリが2015年シーズンからすぐにトップ争いができるようにはならないだろうとの見方が大勢を占めていたのは確かだ。

事実、最高責任者のマルキオンネでさえ、ファンに対して「今年は過度の期待はできないと思って欲しい」と語っていたほどだ。

■前評判をくつがえしてみせたフェラーリ

ところが、今年最初のF1公式シーズン前テストが開始されるや、ベッテルが初日、2日目と連続でトップタイムを刻んでみせたことで、フェラーリ株が一気に跳ね上がってきている。

ベッテルとともに今シーズンもフェラーリで戦うことになるキミ・ライコネンも、3日(火)に初めて今季型車であるSF15-Tのステアリングを握ったが、2014年とは確かに違う手応えを感じたようだ。

ライコネンは、マラネロのフェラーリ本部で行われた革命は「正当な理由」によるものだったことがはっきりしたと語り、次のように続けた。

「クルマがいいか悪いかは分かるものだけど、今年は昨年と比べると全く違うよ。走りだしてすぐにいい感触を得ることができた」

■ライバルチームもフェラーリを警戒

テストが行われているスペインのヘレスでも、今やフェラーリに多くの視線がそそがれている。

「ライバルの動きには目を向けているけれど、とりわけここ2日間のフェラーリには目を見張らされたね」

そう語ったメルセデスAMGのニコ・ロズベルグは、「(今年は)F1にとって面白い年になりそうだよ」と付け加えた。

2014年シーズンには、メルセデスAMGのドライバー以外として唯一3度優勝を飾ったレッドブルのダニエル・リカルドも、2015年型フェラーリのテスト走行のペースは「速い」と認め、「現時点ではフェラーリがよさそうだね」と語っている。

さらに、2014年のチャンピオンチームであるメルセデスAMGで非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、フェラーリがここまで調子をあげてきたのは「驚き」だったと認め、スイスの『Blick(ブリック)』に次のように語った。

「私は、火曜日(3日)にはわざと赤いセーターを着たよ。うちの連中にやる気を出させるためにね。2015年にはフェラーリが我々にとって最大のライバルとなるに違いないよ」

■それでもメルセデスAMGが最強との意見も

だが、F1公式タイヤサプライヤーでF1プロジェクトの責任者を務めるポール・ヘンベリーは、この段階で2015年シーズンの勢力図を占うのは難しいと考えているようだ。

「どこが優勝するか賭けるにしても、まだもう少し待つべきだと思うね」

ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』にそう語ったヘンベリーは、次のように付け加えた。

「まだ始まったばかりだ。フェラーリは調子がよさそうだが、2014年にメルセデスAMGが達成したことを基本に考えれば、やはり彼らが本命だと思っているよ」

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