今シーズン限りでトロロッソを離脱することを自ら発表したジャン-エリック・ベルニュが、自分もフェラーリへの移籍を決めた4年連続F1チャンピオン、セバスチャン・ベッテルの後任候補だったと主張した。
だが、最終的に、ベルニュはレッドブルのドライバープログラムからはまったく除外されることになってしまった。
昨シーズン限りでレッドブルに所属していたマーク・ウェバーがF1からの引退を決めたとき、レッドブルはその後任としてトロロッソでベルニュのチームメートであったダニエル・リカルドを昇格させた。このときもベルニュは失望を隠せないでいた。
そして、同じようなことが今季も起こってしまった。ベッテルがフェラーリへの移籍を決め、今季限りでレッドブルを離脱することになったとき、その後任に選ばれたのはまたしてもベルニュではなく、チームメートのダニール・クビアトのほうだった。トロロッソで3年目を迎えていたベルニュに対し、クビアトはまだ今季F1デビューを果たしたばかりのルーキーだ。
そのベルニュが、母国フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュス)』に次のように語った。
「僕にとって本当にまずかったことは、レッドブルはベッテルが去るなどと思ってもいなかったことだ」
「彼らは、フェルスタッペン(来季トロロッソからF1デビューするマックス・フェルスタッペン)とすぐに契約を結び、発表をするしかなかった。そして、当然ながら、レッドブルとしては彼を年長のドライバーと入れ替えることにしたんだ。トロロッソでデビューさせてまだシーズンの半分しか過ごしていないクビアトと替えても意味がないからね」
そう語ったベルニュは、次のように続けた。
「レッドブルでは、もしベッテルがチームを離れるようなことがあれば、その後任になるのは僕だろうと言っていたんだ」
「そう言われたのは8月のことだったし、2015年にはトロロッソとレッドブルのいずれにも残れないと(最近)言われたときには、すでにその決定を撤回させることなどはできなかったと思う」
「でも、あのとき(8月)には、彼らはベッテルが去ることになるなんて全然考えていなかったんだよ」
ベッテルがレッドブルに対し契約解除を申し入れたのは、10月3日に日本GP(第15戦)が開幕した鈴鹿でのことだった。
行き場を失ったベルニュは、F1での生き残りをかけて、来季はウィリアムズの控えドライバーとなることを目指していると考えられている。