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F1はプーチンに利用されてしまうとイギリスの政治学者

2014年10月08日(水)17:32 pm

これまで開催に向けて批判にさらされてきたF1ロシアGP(12日決勝)の開幕まであと2日と迫っている。そして、F1ではこのレース開催により、さらなる非難の渦に巻き込まれる公算が高くなっている。というのも、ロシア大統領であるウラジーミル・プーチンがロシアでのF1初開催を祝うためにソチを訪れることが明らかとなったためだ。

衝撃的なマレーシア航空MH17便の撃墜事件を始め、ウクライナ問題に関して世界中からロシアへの批判が強まる中、ヨーロッパ諸国やアメリカはより厳しい制裁措置をロシアに対して発動している。そして、ロシアで初めて開催されることになっているF1グランプリについても中止を求める声が強く叫ばれ続けていた。

だが、日本GPを終えたばかりのF1は、冬季オリンピックが開催された会場跡地に新たに建造されたソチ・サーキットでの開催準備に追われているところだ。

先週末の日本GPには姿を見せなかったF1最高責任者のバーニー・エクレストンは、7日(火)には2016年にヨーロッパGPとして新たにF1レースを開催することになるアゼルバイジャンのバクーにおいて、そのコースレイアウトなどの公表イベントに参加していた。そして、今週末のソチには顔を見せることになっている。

そのエクレストンは、批判の渦の中にあるロシアGP開催に関して『Times(タイムズ)』に次のように語った。

「我々は満足しているし、スポンサーも満足しているようだ。だから、我々は開催するよ」

「誰も私に対してこのレースについて相談に来たりはしなかったし、開催すべきではないと言った者もいなかった。制裁措置が我々に影響を及ぼすことはないし、我々は違法なことをしようとしているわけじゃない」

「ロシアの人たちが我々に来て欲しいと要請したから、我々はそうしているだけだ。我々はグランプリを開催する。これは政治とは何の関係もないことだ。私は常に言ってきているが、我々は政治とはかかわらない」

そう語ったエクレストンは次のように付け加えた。

「我々はレースをするためにソチに来ているんだ」

『Times(タイムズ)』のケビン・イーソン記者は、エクレストンの「親友」だとされるウラジーミル・プーチンもソチを訪れることになっていると書いている。

ロンドンにあるシンクタンク「ヘンリー・ジャクソン・ソサエティー」でロシア研究センターの責任者を務めるアンドリュー・フォックスオール博士は、今回のロシアGPについて次のように語った。

「F1(開催)は、プーチンがウクライナに対して行っていることに対する世界的な反対活動が欠如していることを反映するものとなるだろう」

そう述べたフォックスオール博士は、次のように締めくくった。

「もしプーチンが姿を見せ、観客に手を振るようなことがあれば、その光景がテレビを通じて世界中に流されることになるだろう。そうなれば、独裁政権側についたということで、F1は永久にだめになってしまうだろう」

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