3日(金)に鈴鹿サーキットで開幕するF1第15戦日本GP。この晴れ舞台で、史上最年少のグランプリ・ドライバーが誕生する。今日(30日(火))に17才となったばかりのマックス・フェルスタッペン(トロロッソ)だ。もちろんFIA(国際自動車連盟)のお墨付きも得ている。
有望な新人は現行規則のもと、FIAの監督で300km以上のテスト走行を消化したらF1参戦に必須の「スーパーライセンス」を手にできる。
異例の早さでフェルスタッペンのF1デビューを目指すレッドブルは最近、彼をイタリア北東部のアドリア・インターナショナル・レースウェイに連れて行き、規定の距離を走らせた。
「396kmを問題なく走りきったよ」とシンガポールで語ったのは、レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士。「みんな彼の走りに感心していた。あとはFIA次第だ」
そして29日(月)、トロロッソはフェルスタッペンのスーパーライセンス取得を発表する。これで彼はジャン-エリック・ベルニュの代わりに鈴鹿で金曜日フリー走行の参加が可能になったのだ。
それでもなお、フェルスタッペンのF1昇進には議論が残る。
乗用車の運転免許も持たない若者がカートからほぼ一足飛びにモータースポーツの最高峰に昇級するのは、おかしいと考える者もいるのだ。
「彼(フェルスタッペン)の(日本GP)フリー走行参加によって、F1のドライブはあまりに簡単だとの印象が植え付けられる恐れはある」と指摘するのは、イギリス『Times(タイムズ)』紙のケビン・イーソン記者だ。
「FIAは、F1マシンの運転をもっと難しくするよう検討中だといわれる」と、イーソン記者はいう。
また、いとも簡単に発給されるスーパーライセンスの制度も見直される。FIAも最近、ライセンス資格を得るための「能力と条件を再吟味する」と明言した。
そんな騒ぎをよそに、フェルスタッペンは余裕しゃくしゃくだ。
「僕はあまりSNSをみないんだ」と、オランダのウェブサイト『racexpress.nl』に語る彼。
「否定的なことをたくさん書かれるけど、逆にポジティブな意見も多い。僕は自分の仕事に集中するだけさ」