4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルとレッドブルの次の契約に関する交渉が難航しそうな兆しが見えてきているかもしれない。
最近、レッドブルとフェラーリの間で、ベッテルとフェルナンド・アロンソをトレードするという交渉が行われたようだとのうわさが立ったが、16日(火)にはベッテル、そしてレッドブルともにこれを否定している。
「新しいことは何もないよ」と語ったベッテルは、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように付け加えた。
「僕にはレッドブルとの契約があるし、僕は今自分がいるチームに満足しているよ」
さらに、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、「アロンソがレッドブルに来ることなど絶対にないよ」と語っている。
だが、少し気になるのは、アロンソのうわさを否定したマルコだが、ベッテルのことに関しては何も触れなかったということだ。今季、新たにチームメートとなったダニエル・リカルドとの勝負にも負けが続いている不振のベッテルには、来季からマクラーレン-ホンダとして巻き返しを狙うイギリスの名門チームから多額のオファーが届いているとうわさされている。
今週になってささやかれたベッテルとフェラーリに関するうわさは、ベッテルと2016年以降の契約を結ぼうとするレッドブルの動きに直結したものだったかもしれない。レッドブルとしてはベッテル残留を望んでいるが、報酬についてはかなり低く抑えたいと考えていると言われている。
レッドブルの内部関係者が、レッドブルとしては今後ベッテルとリカルドの報酬の額が大きく違うことに対し、何らかの取り組みを行うことになるだろう語ったと言われている。4年連続チャンピオンのベッテルを完全に打ち負かしている形のリカルドだが、現在の報酬はベッテルに比べれば相当低い金額だという。
今週、ベッテルとアロンソのトレードといううわさがささやかれる中、マルコは、レッドブルにとってはベッテルが「最も高額」な経費のひとつであると語っている。
マルコは、今週末のF1シンガポールGP(21日決勝)において、不振にあえぐベッテルに対し今季4台目となるシャシーを与える決定をしたことに触れながら、「ベッテルさんは、我々にとって一番費用のかかる項目だよ」と語り、次のように続けた。
「もし、我々がそれをうまく使えなかったら、まずいことになる」
ドイツの主要日刊紙である『Bild Zeitung(ビルト・ツァイトゥング)』にそう語ったマルコは、次のように付け加えている。
「我々が彼に最高のクルマを与えていないから最も高級取りのメンバーの能力を最大限に引き出すことができない、というようなことじゃまずいからね」