元F1ドライバー、ヨス・フェルスタッペンを父に持ち、才能を高く評価されるオランダの16才、マックス。今年カートからモータースポーツに本格参入、あっという間に話題をさらった彼は、数チームの招きに応じて最近、F1のパドックに姿を現した。
若手育成プログラムが盛んなレッドブルのヘルムート・マルコ博士とも話し合いを行った二人だが、最終的にメルセデスAMGとの契約を決めたと伝えられていた。
イタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌は最近、フェルスタッペンが2015年にGP2昇格を望んでいると伝えたほか、それと前後してF1の初テストも行うかもしれない。
そのいっぽうで『 Italiaracing(イタリアレーシング)』は、F1で大々的に名を知られるようになったフェルスタッペンの進路は先週末、大きく変わったと報じている。
彼が参戦するF3ユーロシリーズの最新ラウンド、オーストリアのレッドブルリンクで、どうやらマルコと「長時間の交渉」を持ったらしいのだ。
マルコといえばF1世界選手権のディフェンディングチャンピオンであるレッドブル首脳のひとり。その彼がF3の決勝グリッドでは、フェルスタッペン陣営にぴったり寄り添っていた。
最終的に「レッドブルは(契約不履行に伴う)違約金を支払ってまでフェルスタッペンを育成プログラムに取り込みたい意向」だと『 Italiaracing(イタリアレーシング)』はいう。
それだけではない。マルコはフェルスタッペンに、あることを約束したらしい。2015年のシーズン開幕時にようやく17才を数えるフェルスタッペンを、来季のトロロッソに乗せ、F1デビューをさせるというのだ。
そうなるとシートを明け渡すのは、恐らくジャン-エリック・ベルニュだ。彼はトロロッソ三年目の今シーズン、はたちのロシア人ルーキー、ダニール・クビアトに押され気味だ。
ベルニュのシートは2015年、やはりレッドブル傘下の若手カルロス・サインツJr.が引き継ぐものと思われていた。
しかし「シリーシーズン」と呼ばれるドライバー移籍市場が動くにつれ、別の可能性も出てきている。フェルスタッペンとサインツがトロロッソでペアを組み、クビアトはレッドブルに昇格するというものだ。
「ダニールはここまで目覚ましい活躍ぶりだ」とスペインのスポーツ日刊紙『AS』に話すのは、レッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナー。
現在マクラーレンはしきりにセバスチャン・ベッテル(レッドブル)あたりのトップドライバーと契約したがっていることから、2014年にレッドブル加入後、驚くべき成長を遂げているダニエル・リカルドとクビアトを組ませる可能性があるという。
ただしホーナー自身は2015年のドライバー変更について、その可能性を否定している。
「われわれはF1で100%ベストのドライバーペアを擁している」と、ホーナーはドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に語る。
「セブ(ベッテル)はわれわれに満足しているし、信頼も寄せてくれている。彼はレッドブルで38勝を上げたのだ。そう簡単にチームに対する信用は無くさないさ」
「それに実際、セブがどこかへ移籍したがっているとも思えない」と、ホーナーはいっている。
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