前戦F1イギリスGP(第9戦)決勝ではギアボックストラブルのため今シーズン初めてのリタイアとなったメルセデスAMGのニコ・ロズベルグだが、それ以外はまさに順風満帆だ。
いまだタイトル争いではトップをキープしていることに加え、先週末には長年の恋人とゴールイン、さらに母国の代表チームがサッカーのワールドカップで優勝、そして総額5,500万ユーロ(約75億6,000万円)とも報じられている3年の延長契約も正式に成立している。
「次は僕のホームグランプリで勝たないとね!」、とロズベルグの意気もさらに上がる。
その好調ロズベルグに比べ、同じドイツ人ドライバーであり、4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)のほうは、今年は想像もできなかったほどの苦戦にあえいでいる。
現在のロズベルグには、そうしたベッテルを気遣う余裕もあるようだ。ロズベルグは『APA通信』に次のように語った。
「これまでずっと成功に恵まれてきたのに、突然クルマが最高レベルのものでなくなったとしたら、間違いなく厳しい状況に置かれてしまうよ」
「あれほど強いドライバーならなおのことさ」
今季のロズベルグ、そしてメルセデスAMGの活躍ぶりを目の当たりにすれば、自分もメルセデスAMGへ移籍したいと思っても不思議ではないところだが、ベッテル本人はそんなことは考えていないと主張している。
「僕は自分のクルマに乗るほうがいいよ」、とドイツの週刊誌『Bunte(ブンテ)』に語ったベッテルは次のように続けた。
「今はいろんなことがうまく行っていないのは確かだ。でも、これももうしばらくの間だと思っている」
「レッドブルは僕にとってすごく特別なチームなんだ。F1での過去数年のことがあるからだけでなく、彼らは僕のキャリアを早い段階から支援してくれていたからね」
そう語ったベッテルだが、自分の不調の原因が今季のクルマだけにあるのではないことも認めている。チームメートであり、今年ジュニアチームのトロロッソから移籍してきたダニエル・リカルドのほうが現時点では自分よりも「いい仕事」をしているのは間違いないからだ。
ベッテルは次のように付け加えた。
「彼は僕よりもミスを犯すことが少ないんだ。だから彼には相応の敬意を払わないとね」