F1イギリスGP(6日決勝)初日の4日(金)、スージー・ヴォルフ(ウィリアムズ)が夢をかなえた。その反面、批判にも直面している。
ウィリアムズの開発ドライバーであるヴォルフは、イギリスGPフリー走行1回目にバルテリ・ボッタスに代わって出走した。F1で公式に女性ドライバーが走るのは、22年前の1992年、ジョバンニ・アマティ以来である。
しかし、31歳のヴォルフにはその資格がないと考える者もいる。
セルジオ・ペレス(フォース・インディア)は、スペインのテレビ局『Antena 3(アンテナ3)』に対し、ヴォルフは「台所にいたほうがいい」とジョークを飛ばした。
その後ペレスは謝罪し、ヴォルフの才能を「尊敬」していると弁解した。『Antena 3(アンテナ3)』のリポーターも「間の悪いジョーク」と言っている。
一方、元F1ドライバーのジョン・ワトソンは、ヴォルフがチャンスを与えられた理由は女性だからだと考えている。『Daily Mail(デイリー・メール)』に次のように語った。
「彼女はサードドライバーに指名されているわけじゃない。それはフェリペ・ナスルだ」とワトソン。「では、なぜ走らせるのか?」
「彼女の履歴書にとってはいいかもしれない。だが、2年間レースしていない30代のドライバーを採用するF1チームなどない。テストする機会は不足している。貴重な時間の使い方としては奇妙だね」
ヴォルフはドイツの『Bild(ビルト)』紙にこう話した。「私は女性の宣伝用見せ物に過ぎないと考える人もいる」
「でも、評価されるのはレーシングドライバーとしてどうなのか、それだけ。ヘルメットをかぶったら、みな同じよ」
しかし、ウィリアムズのチーム代表クレア・ウィリアムズも、このチャンスを与えた理由の1つは性別だと『Times(タイムズ)』紙に認めている。
「女性を使うことと商業的利益とは関係ないと言ったら世間知らずでしょう」とクレア・ウィリアムズ。「彼女も力を示さなければなりません」