レッドブルのモータースポーツ責任者であるヘルムート・マルコは、先週末に行われたF1スペインGP(第5戦)の決勝の前に、メルセデスAMGがその強さを増していることに懸念を示しながら次のように語っていた。
「我々は彼らに(1周あたり)1秒も離されている。レースでは彼らを見ることはできなくなるだろう」
事実、メルセデスAMG勢の2台に続いてダニエル・リカルドとセバスチャン・ベッテルが3位と4位を確保したレッドブルだが、優勝したルイス・ハミルトンと3位のリカルドとのレース終了時点におけるタイム差は49秒にまで開いていた。
レッドブルでは、自分たちのホームレースとなる来月のオーストリアGP(6月22日決勝)までには改良された燃料の導入と、エンジンの修正を行いたいと考えている。
だが、現状での力量差をみれば、それによってメルセデスAMGとの差が大きく縮まることを期待するのは難しいかもしれない。
「我々も少しずつ改善はできているが、それは彼らも同じだ。我々には飛躍的な改善が必要だよ。そうでなければ、我々にとって今シーズンはもう終わったも同然だ」
そう語ったマルコだが、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグというメルセデスAMGのドライバーだけがトップ争いを繰り広げているという状況のもと、メルセデスAMG勢がお互いに足を引っ張り合う状況さえ期待していると認めている。
一方で、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダのほうは、当然ながらメルセデスAMGの現在の状況を喜んでいる。
「私は常々、バーレーンのような空力の影響が大きいサーキットでは我々のリードも小さくなるのではないかと心配していた。だが、我々は以前よりももっとレッドブルとの差を開くことができているよ」、とラウダは語った。