F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、多額の和解金を支払うことで、最大10年とも言われる懲役刑を回避する動きに出るかもしれない。
エクレストン側は、その弁護士であるスベン・トーマスが、エクレストンが「法廷で争うつもり」でいると主張してはいるものの、この裁判を和解に持ち込む可能性もあると明かした。
トーマスは、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトに対し、次のように語った。
「裁判が開始される前に和解を成立させることは難しいと考えている」
「公判中に示談を行うことはいつでもできるが、それ以前には無理だ」
エクレストンの汚職事件に関する聴聞は4月に予定されているが、ミュンヘン裁判所の報道官は、『Daily Mail(デイリー・メール)』に対し、和解に至る可能性もあることを認めている。
報道官は次のように語った。
「ドイツの訴訟手続きにおいては、裁判の間に慈善団体もしくは国庫に対して合意された金額の支払いを行うことで訴訟を停止することが可能となっている。この場合、被告、検察官、そして裁判所の合意が必要だ」
現在、エクレストンはこの訴訟の結果が出るまでF1の取締役の職から身を引いているが、シルトによれば、もしエクレストンが和解に持ち込もうとすれば、3億ユーロ(約419億円)近くの和解金の支払いが必要になるだろうとしている。
「刑事事件の裁判が金を支払うことで解決できるのはめずらしいことだが、ドイツではそれは全く問題のないことだ」、とシルトは語った。
エクレストンは、これに関し次のように語っている。
「裁判官としては難しい立場にいる。彼はある人物(元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキー)に8年6か月の懲役刑を言い渡している」
「彼(裁判官)は、もし検察官が望むのであれば、そうする(和解に応じる)こともある程度考慮するだろうと述べたよ。だが、検察官はそれを求めていないんだ」