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F1関係者に不評のF1インドGP、今年で見納めか?

2013年10月25日(金)11:26 am

今週末にF1インドGP(10月27日決勝)が開催されるが、関係者の間では評判が今ひとつのようだ。週末を無事乗り切るため、マクラーレンのメカニックたちが蚊よけスプレーで完全防備している様子が明るみに出るなど、聞こえてくるのは悪評ばかり。

今週末のレースをもって、いったんはF1カレンダーから姿を消すものの、2015年の暫定カレンダーに復活が予定されているインド。しかし、インドが近い将来、F1から完全に撤退するのはほぼ確実だと見られている。

『Autosprint(オートスプリント)』のアルベルト・アントニーニ記者は、2013年版の記事の中で、インドのスラム街や地元の人々のレースに対する無関心さに加え、税金、関税そして財政問題に関する報道にも言及している。

アントニーニは、関税の問題、無秩序状態の交通そしてデング熱の恐怖にさらされる各チームにとって、インドGPは“悪夢”である一方、地元の貧困層もチケットの値段が高すぎて手が出ないと指摘している。

デング熱は、デングウイルスに感染した蚊を介して人に感染するウイルス感染症だ。ヒルトンをスポンサーに持つマクラーレンのメカニックらは、会場近くのヒルトンホテルに滞在しているが、同ホテルはデングウイルスに感染した蚊に悩まされているため、ドライバーとチーム代表のマーティン・ウィットマーシュはより安全なジェイピー・グリーンズ・ホテルを選択した。

ジェンソン・バトン(マクラーレン)のマネジャーを務めるリチャード・ゴッダードは、「ヒルトンは本当にいいホテルで、スタッフもみんなフレンドリーだ。本当に良くしてもらっている」と『Daily Mail(デイリー・メール)』に語っている。

一方で、「このホテルはオープンしたばかりのようで、あの数の蚊に対処できる対策が十分になされていない」と指摘した。

マクラーレンの広報責任者であるマット・ビショップは、“強力な蚊よけスプレー”がスタッフに支給されたと語った。

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がインドで2013年のF1タイトルを決めるのはほぼ確実だろう。しかし、ベッテルのガールフレンドと両親は、インド入りを見送っている。

「インドは、たった1レースのために訪れるにはちょっと遠いからね」とベッテルの父ノルベルトは『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』紙に語った。

『Bild(ビルト)』紙は、ベッテルがインドで安全を期するため、飲み物には氷を入れず、地元の果物やサラダを控えるなど、ありとあらゆる予防策を取っていると報じた。

「ベッテルは、殺菌のため、アルコール度の高いウイスキーでうがいをしている」と同記事は明かしている。

さらには、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が23日(水)、高速道路を走行中、「あわててハンドルを切り、間一髪で牛をよけた」と伝えた。

ロズベルグも、「よくあること」というハッシュタグ付きで、この出来事を自身のツイッター上でつぶやいている。

しかし、ザウバーの代表を務めるインド生まれのモニシャ・カルテンボーンは、ロズベルグが道路上で家畜をよけるのは、今回が最後だと考えている。スペイン紙『AS』にこう語った。

「わたしたちは、この地域でF1を十分売り込めず、絶好の機会を逃してしまった」

「いったんカレンダーからもれてしまうと、復帰するのは非常に難しい。特に、ここインドではF1というスポーツを根付かせることができなかったから、なおさら大変だと思う」とカルテンボーンは嘆いた。

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