NEXT...F1開催スケジュール

ピレリ、ナイトレースへ向けて準備万端/F1シンガポールGPプレビューまとめ

2013年09月19日(木)19:42 pm

F1タイヤサプライヤーのピレリが、F1シンガポールGP(9月22日決勝)に向けてコメントを発表。昨年は、スーパーソフトとソフトを持ち込んだが、今年はスーパーソフトとミディアムに変更されている。以下、ピレリのプレスリリース。

ヨーロッパラウンドの中核を成す2つの伝統的な高速サーキット、スパとモンツァを経て、Formula Oneは、これらと全く対照的である、極めて現代的なシンガポール市街地サーキットへと向かいます。シンガポールは、カレンダー中で唯一、夜間に街灯のもとで行われるレースです。ストップアンドゴーの特性を持つトラックに適応するため、ピレリは、P Zeroレッド・スーパーソフト(レンジ中で最も軟らかいタイヤ)とP Zeroホワイト・ミディアムを選択しました。

シンガポールはナイトレースのため、各チームがヨーロッパ時間のスケジュールに従うことに加え、マリーナベイ・サーキットにはユニークな要素が多数存在します。レース時間に関しては、例年、シーズン中で最長時間となることが多く、2時間の制限ぎりぎりになることもしばしばです。したがって、各マシンは、シーズン中で最も重い燃料を搭載することになります。また、シーズン中でも屈指の高湿度の下で行われるレースでもあり、セーフティーカーの導入率が高いことでも知られています。これら全ての要素は、戦略のみならずタイヤの摩耗とデグラデーションに影響を及ぼします。

ポール・ヘンベリー(ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「今年我々がシンガポールに持ち込むタイヤは、昨年のスーパーソフトとソフトから変更されています。その理由は、性能とグリップを最大限にするために、今年のタイヤが全体的に軟らかくなっているためです。シンガポールは非常にバンピーです。これは市街地サーキットの典型的な特性です。そして、グリップやトラクションに影響を及ぼす白線やマンホールなど多くの市街地サーキット特有の要素が存在します。ナイトレースの進行に伴う気温と路面温度の変化に対応するため、タイヤにはシンガポール特有のパラメーターのセットが必要になります。また、マシンがシーズン中で最も重い燃料を搭載するため、タイヤの摩耗やデグラデーションに直接的な影響を及ぼします。長時間のレースなので、各チームには、あらゆる意味で興味深い戦略を見出す余地が多く存在すると思います。我々は、いつもシンガポールで熱烈な歓迎を受けます。シンガポールは、観衆を魅了する全体的なショーという点に関して、シーズン中で最も見応えのあるイベントであると思います。ここでの我々の目的は、接戦を演出するために、性能とデグラデーション間の適正な妥協点を持ったタイヤを提供して、この素晴らしいショーを盛り上げることです」

ジャン・アレジ(ピレリ・ブランド・アンバサダー)
「私は、シンガポールでのレース経験はありませんが、2年前にグランプリを観戦して、その素晴らしい光景に魅了されました。また、ビジュアル的な見応えとしてはテレビでの観戦も素晴らしいと思います。私が知る限り、シンガポールは、ドライバーやマシンにとってハードなレースですが、タイヤにとってはそれほどでもないようです。平均速度は高くなく、極めてグリップの低いストップアンドゴーが多く存在するため、概してタイヤにそれほど大きな負荷を与えません。しかし、ドライバーにとっては違います。高温と高湿度、それに非常に長いレース時間は、肉体的に非常に厳しいものになります。このレース直前のスパとモンツァは、ともにタイヤに非常に厳しいトラックでした。そして今、全く対照的なシンガポールで、各チームがどのような戦略を構築するのか、興味深いところです。スーパーソフトとミディアムの組み合わせは、多くのユニークなチャレンジの機会を提供します。そして、これが現代のグランプリの魅力的な部分であると思います」

サーキットから見たタイヤ:
シンガポールは、シーズン中で2番目に多いコーナー数(23)を有するため、トラクションが不可欠な要素となります。アスファルトは、バンピーで滑りやすく、グリップは路面上のマーキングやマンホールによる影響を受けます。しかし、グリップの不足にも関わらず、マシンは減速時に4.3Gにもおよぶことがあります。シンガポールの湿度は75~90%で、しばしば雨となるため、Cinturatoグリーン・インターミディエイトやCinturatoブルー・フルウェットが使用される可能性が高まります。

シンガポールは、大半のサーキットよりも低いピットレーン制限速度(60km/h)と404mのピットレーンのため、シーズン中で最もピットストップに時間を要するサーキットのひとつです。

テクニカルノート:
レース時間が長いことに加え、ストップアンドゴーの特性を持つサーキットのため、1kmあたりの燃料消費量はシーズン中で最も高い部類に入ります。ラップ中の約半分をフルスロットルで走行しますが、いくつかのブレーキングエリアも存在します。

昨年のトップ3は、全員2ストップ戦略を採りました。セバスチャン・ベッテルが、3番グリッドからP Zeroレッド・スーパーソフトでスタートし、その後の2スティントをP Zeroイエロー・ソフトタイヤで走行して優勝しました。ジェンソン・バトンは、ベッテルと全く同じ戦略で2位を獲得しました。スターティンググリッドのトップ10は、全員P Zeroレッド・スーパーソフトでのスタートでした。

シンガポールでのレース戦略は、高いセーフティーカー導入率(昨年は2回のセーフティーカー導入がありました)を考慮して、非常に柔軟である必要があります。セーフティーカー導入時は、効果的にロスの無いピットストップを行うことが可能になり、ラップタイムが遅くなるため、全体的な摩耗とデグラデーションの進行を遅くします。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック