昨年末でF1を引退したミハエル・シューマッハは、自身が打ち立てたF1タイトル7回獲得という前人未到の記録に、同じドイツ人のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)なら並ぶことができると考えている。
今週初めに、スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』は、ベッテルが自分とシューマッハの記録を比べることについて「バカバカしい」と話したことを伝えた。
「僕は3回タイトルを獲得したけれど、7回と比べたら何でもない」とベッテルは語る。
「あの記録を破るのは、今後2、3年でできるようなことじゃない。だから、考えることすらしないよ」
「何年かとてもいいシーズンを過ごしてきたけれど、突然変わることだってあり得る」とベッテルは慎重だ。
だが、44歳になったシューマッハの考えは、少し違う。
シューマッハは、2001年に32歳で獲得した4度目のタイトルに、現在26歳のベッテルが順調に近づいていると話した。
「彼は最強のパッケージを手にしている。チャンピオンは普通、最強の者がなるものだ」とシューマッハはベルギーのテレビ局『Vier(フィエール)』に語った。
「記録は破られるためにある」とシューマッハは笑顔で話す。「レースをしていた時は、それでやる気が高まった。そして、最終的にあの記録ができたんだ」
「信じてほしいんだけど、セバスチャンが僕の成績を上回れたら、僕もうれしいよ。短期間で3回タイトルを獲得したんだから、7回獲得できない理由があるかい?」
一方、ドイツの元F1ドライバー、ハンス・ヨアヒム・シュトックは、史上最も成功したF1ドライバーであるシューマッハをベッテルが超えられるとは思っていない。
「時代も状況も違いすぎる」とシュトックはドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に対し、両者の時代を比較して次のように語った。
「ある晩、シューマッハが新しいフロントウイングをもらう夢を見たら、翌日にはそれが手に入り、テストすることもできた」
「それは、現在のレギュレーションでは不可能だ」
またシュトックは、ベッテルの成功はレッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイの能力によるところが大きいと話した。
「どういう理由にしろ、ニューイがいなくなったとしたら、チームの状況はまったく違うかもしれないよ」