NEXT...F1開催スケジュール

ザウバー、エンジン供給停止もあり得る状況だった

2013年07月16日(火)8:39 am

資金難に苦しむザウバーは、次のF1ハンガリーGP(7月28日決勝)翌日からエンジン供給を絶たれる可能性もあった。

ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙は、エンジン供給元のフェラーリに対するザウバーの未払いが1,500万ユーロ(約19億円)に達していると伝えた。

記事によると、フェラーリはザウバーに対して最後通告を突きつけたという。F1が夏休みに入る7月29日までに、支払期日の過ぎた請求のうち最低でも800万ユーロ(約10億円)を支払わなければ、供給を停止するというものだ。

チーム創設者のペーター・ザウバーは、スイスの『SonntagsBlick(ゾンタークスブリック)』に対し、「それはデタラメだ」と記事を否定している。

ザウバーの負債はほぼ1億ユーロ(約130億円)に達すると伝えられており、状況が切迫していることは間違いない。しかし、チームが生き残る道はまだ残っている。

すでに報じられたように、これまでザウバーはロシア企業と交渉しており、締結にはウラジミール・プーチン大統領の承認が必要だと『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙が伝えていた。

また、FIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドが、息子のニコラ・トッドのチーム代表就任を条件に、ザウバーに対して1,000万ユーロ(約13億円)の融資を申し出ているといううわさもある。

報道によると、現在はザウバーが自腹を切ってチームスタッフの報酬を支払っているという。一方、支払いを待たされている供給元の中には、請求額が100ユーロ(約1万3,000円)に過ぎない者もある。

チームの預金は100ユーロもないのかと『SonntagsBlick(ゾンタークスブリック)』に聞かれると、ザウバーは次のように答えた。「もちろん、違う」

「一人も解雇していないし、報酬も期日通り支払っている」

「しかし、ある供給元には支払って、ほかには支払わないといったことはできない。全員平等にするべきだ」

「状況は深刻だ。モータースポーツをやってきたなかで、最も困難な状況だよ」

ザウバーは、現在の苦境が2009年末のBMW完全撤退にさかのぼると語った。

「巨大な問題を抱えているチームは多い」とザウバーは、BMWからチームを再び引き継いだ当時を振り返って話している。「ただ夢を見ているわけではない。自分が何に首を突っ込もうとしているのかは分かっていた」

「最悪だったのは、同時に長年パートナーだったペトロナスまで失ったことだ」

「静かに暮らすこともできただろう。だが、チームを閉鎖していたら、現在の状況よりつらかったろうと思う」

ザウバーは、苦しい現状を認めながらも、自信をのぞかせている。

「現在行っている交渉が、完了に近づいている。チームの救済は成功すると信じている」

「しかし、とにかく大きく強いパートナーが必要であることは明らかだ」とザウバーは話し、自身とチーム代表のモニシャ・カルテンボーンが、最近2回にわたってモスクワを訪問したことを明らかにしていた。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック