F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのポール・ヘンベリー(モータースポーツ責任者)が5日(金)、先週末のF1イギリスGP(第8戦)で起こったタイヤのバースト(破裂)による混乱について、すべての責任を自分たちが負うわけにはいかないと主張した。
ピレリはバースト多発の原因について、チーム側が極端な空気圧やキャンバー設定を行い、左右のリアタイヤを逆につけて走行していたと指摘。これに対し、いくつかのチームは反論していた。
マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュは、5日(金)にイギリスの『Sky(スカイ)』に対し、次のように語った。
「誤解のないように言っておくが、我々は常に正しい空気圧、正しいキャンバーの範囲内でやっていたし、我々が行っていたことは、すべてピレリが同意していたことだ」
ヘンベリーは、ピレリが責めを負うべきだと考えているのは、ウィットマーシュが指摘した最後の点についてだ。それはすなわち、左右のリアタイヤを入れ替えることであり、伝えられるところでは、各チームはそうすることでタイヤの寿命を20パーセントほど伸ばせることを発見していたとされ、ピレリもこれに同意していたようだ。
「それは我々の責任だ」、とヘンベリーはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語り、次のように続けた。
「シーズン序盤に、我々はマクラーレンからそうしたいという要請を受けたが、そのときはそれを断る理由がなかった。我々としては安全性に問題はないと考えていたんだ」
だが、ピレリによれば、これが最終的にはシルバーストンで起こったタイヤ損傷の大きな原因となったとしている。タイヤ内のスチール製ベルトが、高速コーナーで荷重がかかった際に正しく広がらなかったためだという。
また、ヘンベリーは、キャンバー角やタイヤの空気圧について次のように付け加えた。
「我々はデータを検証することができなかった。チームたちは常にデータをわれわれに開示してくれなかったからだ」
「だが、キャンバーについては、何台かは見ただけで上限を超えていたとわかるものだった」
さらに、ヘンベリーはいくつかのチームが空気圧に関してピレリの推奨値を無視していたことは「間違いない」と付け加えた。