近い将来、F1に進出する女性ドライバーは現れるだろうか? マクラーレン会長のロン・デニスは期待薄と一蹴する。
ウィリアムズのテストドライバー、スージー・ヴォルフは、F1出場に必要なスーパーライセンス取得を目指しており、7月にシルバーストンで行われる若手ドライバーテストに参加するとみられている。マルシャにもスペイン人のマリア・デ・ビロタという女性ドライバーがいたが、一年前にイギリスのダックスフォードで直線テスト中、おぞましい事故が発生してF1参戦の夢を絶たれた。
今週デニスはイタリア『La Repubblica(レプブリカ)』紙とのインタビューで女性F1ドライバーの再登場について質問され、こう答えている。
「そうそう出てこないだろうね」
「世の中には女性にとって肉体的に困難なスポーツがある。そのひとつがF1だ」
だがマクラーレンのエース、ジェンソン・バトンの意見は異なる。女性がF1を戦うのは「可能」だというのだ。
「アメリカでNASCARやインディカーに出場している女性ドライバーが何人かいるじゃないか。しかも優勝までしている」
「女性ドライバーにとって大きな問題は、若くしてチャンスをもらえないことだよ」
「レースはとても厳しいスポーツだ。特化したトレーニングを行いながら、時間をかけてレースに耐えうる身体を作り上げなければならない。個人的には可能だと思うけどね」
ところでデニスは、以前マクラーレンに所属したあるドライバーに辛らつなことばを浴びせている。F1を戦う真の「目的」を失くしているというのだ。
「人によってはレースに出る目的を見失う者もいるね」と、デニス。「自らの行いを客観視できなくなったら、世界チャンピオンに必要な要素も見えなくなる」