F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は10日(月)、F1カナダGP決勝で発生した事故により、コースで作業していたマーシャル1名が亡くなったことを発表した。
FIAの発表などによると、事故が発生したのはレース終盤。コース脇に止まったエステバン・グティエレス(ザウバー)のクルマを撤去する際のことだった。
クレーン車がグティエレスのクルマをつり上げた際、現場にいた作業員が無線を落としてし拾い上げようとしたものの、つまずいてしまった。しかし、クレーン車からこの作業員が見えなかったため、クレーン車は作業員の存在に気付かず、この作業員をひいてしまった。
作業員はヘリコプターですぐに病院へ運ばれ、救命処置が行われたものの、搬送先の病院で亡くなった。
FIA、作業員が所属していたノートルダム自動車クラブ、そしてF1カナダGPは亡くなった作業員の遺族と友人へ哀悼の意を表するとともに、現段階では作業員の身元を公表することはできないとしている。
『Autosport(オートスポーツ)』によると、F1でマーシャルが亡くなるのは2000年以来3人目。2000年のイタリアGPで1周目に発生した多重クラッシュでホイールがバリアを飛び越え、このホイールが激突したマーシャルが亡くなった。2001年のオーストラリアGPでは、ジャック・ビルヌーブとラルフ・シューマッハがクラッシュした際、脱落したホイールがフェンスのすき間を飛び抜けマーシャルに激突し、このマーシャルが亡くなっていた。