F1公式タイヤサプライヤーのピレリは20日(月)、来月に予定されているF1カナダGP(6月9日決勝)、及びそれ以降に支給されるタイヤへの変更は最小限のものとなるだろうとの報道を認めた。
スペインGP(第5戦)後にいっそう強く巻き起こった非難を受け、ピレリでは、1レースあたりのピットストップ回数を減らすために、モントリオールで開催されるカナダGPに向けて、タイヤの構造とコンパウンド両面において変更を加えると発表していた。
だが、ロータスとフェラーリは、タイヤに関する不満を表明していたレッドブルやメルセデスAMGとは逆の考えを持つことを表明。さらに、F1の統括団体であるFIAも現在のルールによればそうした変更は、全チームの合意がない限り、安全上の問題がある場合にしか行うことができない、とピレリに水面下で反論したと伝えられている。
そして、ピレリはついに20日に前言撤回することとなった。ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、『Reuters(ロイター通信)』に対し、ピレリとしては「F1の公平さに対する影響を最小限に留める」範囲での変更を行うと語り、次のように続けた。
「求められる変更は、最初に想定されたものよりも小さいようだ」
さらに、ヘンベリーはカナダに向けていくつかの変更は行われる予定だが、それはタイヤのトレッド部分がはがれ落ちてしまう問題への対処のみとなる、と次のように続けた。
「われわれは、大多数のタイヤにまじって、ときおり不具合を起こすものがあることについての原因を探っている。そうすれば、トレッドの問題は解決できるだろう」
「各チームがこれまでに行ってきたことを劇的に変えてしまうほどの変更を行わなくても、それができると考えている」