ジュール・ビアンキ(マルシャ)が、今シーズンここまで、マルシャで印象的な走りを見せていることが将来フェラーリのシート獲得につながるだろうという希望を持っていることを認めた。
今シーズン開幕前にはフォース・インディアのドライバー候補として名前があげられていたビアンキだったが、結局そのシートにはエイドリアン・スーティルが収まることとなり、いったんは今季のF1デビューの道が閉ざされたかに見えた。だが、やはりマルシャからF1デビューをするはずだったブラジル人ドライバーのルイス・ラジアがスポンサーマネーの持ち込みに失敗したことを受け、開幕直前のところでマルシャのシートを獲得した。
その後、ビアンキとマルシャは、開幕2戦において予想以上の活躍を見せ、F1界に驚きを与えている。
フェラーリの育成ドライバーの一員としてフェラーリからの支援を受けるビアンキを、次期フェラーリドライバー候補にあげる者もいる。
『Sky(スカイ)』に、印象的な走りを見せたF1開幕戦のオーストラリアGPや第2戦マレーシアGPのあとで、フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリと話をしたか、と問われたビアンキは次のように答えた。
「僕はまだフェラーリの育成ドライバーでもあるから、フェラーリとは話をしているよ。ここまでのところは、確かに彼らも僕の仕事ぶりに注目している」
「でも、余計なプレッシャーをかかえたいとは思わないよ。僕は今マルシャにいるんだから、マルシャのためにいい仕事をして、それからどうなるのか様子をみたいと思っている」
だが、フェラーリのシート獲得が最終的な目標か、と問われたビアンキは、「そのことは常に頭にあるよ。僕はすでに育成ドライバーとして彼らと契約しているし、将来的にはフェラーリでやりたいと思っている」と認め、次のように続けている。
「でも、そうなると確信するにはまだ早過ぎるよ。たった2レースが終わったばかりだし、まだこれから17レースもあるんだから、どうなるか様子をみないとね」
「まずは現在の位置をキープして、それを改善することだ。来年になればどうなるか分かるだろうけど、来年もまたマルシャに残れればうれしいと思うよ」
ビアンキは、現在のフェラーリドライバーであるフェリペ・マッサと同様に元フェラーリのチーム代表であり、現在はF1を統括するFIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドの息子ニコラ・トッドにマネジメントを委託している。ビアンキは仮に、フェラーリから指名されたとしても、F1の最前線で戦う心構えはできている、と次のように続けた。
「もちろん。F1で戦っているドライバーは、誰もが世界でトップクラスのドライバーだし、フェラーリのようなトップチームにだって飛び込んでいけるよ」
「若いうちはもう少し経験を積む必要があると思うけれど、いいレースをすることができるようになれば、そういうチャンスを得るのにふさわしいということを示せると思うんだ」