マッサ復調、アロンソとの関係に影響は？
F1ではチームメート同士のバトルが注目を集めているが、フェラーリでも興味深い戦いが始まろうとしている。
フェラーリでは、2回F1チャンピオンを獲得しているフェルナンド・アロンソが絶対的なナンバー1であることに議論の余地はない。しかし2013年は、2戦を終えてドライバーズランキングでチームメートのフェリペ・マッサがアロンソを上回っており、予選の成績も良い。
チームメートに対するアロンソのこれまでの予選成績を振り返ると、2004年ルノー時代のヤルノ・トゥルーリや、2007年マクラーレン時代のルイス・ハミルトン（現メルセデスAMG）などとは接戦だった。しかし、次戦の中国GP（14日決勝）でもマッサに敗れると、予選でチームメートに5連敗という新記録になってしまう。
これは何と言っても、マッサが復調した証だ。マッサは、2009年に大ケガを負って以来、不調が続いていたが、昨シーズン終盤は調子を取り戻し、2008年に最終戦までタイトル争いをした当時の走りをすっかり取り戻しているように見える。
アロンソも、マッサが再び本来の強さを取り戻したことを喜んでいる。
「チームにとって最高のニュースだよ。ドライバー2人が競い合うことは必要だからね。それに、データがすべて、比較・分析して改善につなげるのにすごく有効なものになったんだから」とアロンソはマレーシアで話していた。
しかし、舞台裏はそう穏やかな状況ではないのかもしれない。
「フェルナンドは桁外れに素晴らしい」3回F1王者に輝いたジャッキー・スチュワートは、ブラジルの『O Estado de S.Paulo（オ・エスタード・ジ・サンパウロ）』にこう話している。「だが、チームメートに負けていると、うまく対処できない」
少なくともアロンソは、チームからの全面的なバックアップをあてにすることができる。チーム内でのアロンソの地位は、かつてフェラーリの黄金時代を築いたミハエル・シューマッハに匹敵する絶対的なものだからだ。
「決勝については、アロンソはこれまで一緒にやったどのドライバーより素晴らしい」というフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロの言葉が最近スペインの『El Confidencial（コンフィデンシアル）』紙で伝えられている。
モンテゼモーロは、1周の速さに関しては、過去のドライバーと比較することが難しいとしながらも、「決勝そのものについては、間違いなく彼が一番だ」と話していた。
しかし、2010年にチームメートになって以来、マッサがポイントでアロンソをリードしたことはほとんどなかった。
マッサについて、モンテゼモーロはこう話している。「確かに、去年の初めは頭の中で何かが起きて、彼はフェルナンドのように走ることができなかった」
「だが今は、非常にリラックスしており、調子も大変いい。しかし忘れてはいけないよ。彼はミハエルより速かったことだってあったのだから」
「何か問題があるとしても、それはドライバーに関してではないね」とモンテゼモーロはチームメートの関係に問題がないことを強調している。
