セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は先日開催された、今年の最終戦F1ブラジルGPで見事に史上最年少で3年連続王者となった。さまざまな史上最年少記録を塗り替えてきたベッテルだが、追い抜きが決して上手ではないという批判が出ていた。その批判に対してベッテルは反論を行っている。
ベッテルはポールポジションからスタートしてレースを支配した場合には強さを発揮するが、集団の中に埋もれ、ゴールするまでの間に追い抜きを試みなければならないレースでは、それほど強力ではないと批判されていた。
しかし、第18戦F1アブダビGPではピットレーンから最後尾でレースをスタートしたにもかかわらず3位表彰台を獲得。そして、1周目でスピンを喫し、またしても最後尾から追い上げるレース展開となった最終戦ブラジルGPでも多くの追い抜きを披露して6位に食い込み、見事にタイトルを獲得した。ベッテルはこれらのレースを振り返り、批判が間違っていたことを証明することができたと語っている。
「今になって追い抜きができないヤツを振り返るのは、ちょっとおかしな感じだよ」と、ベッテルはブラジルの『Agencia Estado( アジェンシア・エスタード)』に述べている。
「たったの2レースでだけど、みんな考え方を変えなくちゃいけないだろうね」
全19戦中、15戦でポールポジションを獲得し、圧倒的な強さでタイトルを獲得した2011年は、特にこの種の批判が目障りだったとベッテルは認めている。
「いい順位からスタートしているのに、そのことにすらケチを付けられていたんだ」とベッテルは当時を振り返った。
現役時代に4度F1チャンピオンに輝いたアラン・プロストは、ベッテルは2012年の王者に相応しいと語っている。
プロストは『RMC Sport(RMCスポール)』で「彼には(優れた)クルマとチームがある。彼はやるべきことをやってのけた」と、ベッテルを称えている。
そして「かなり幸運にも恵まれていた。特にアブダビとブラジルではね。ラッキーなチャンピオンだ。しかし、だからと言って、(チャンピオンに)相応しくないという訳ではない。その真逆だよ」とプロストは付け加えた。