ケーターハムのチーム代表トニー・フェルナンデスは悩んでいる。「ペイドライバー雇用という道を絶つことができない」ためだ、と『Guardian(ガーディアン)』が伝えている。
実力と同程度、時には実力以上に持ち込みスポンサー金額がものをいう近年のF1シート争いは、グランプリ優勝経験者にも容赦がない。ケーターハムのヘイキ・コバライネンは、資金の問題で来季のシートが危機にひんしている、とインドで明かしていた。
ケーターハムの悩みのタネは、目下11位というコンストラクター選手権(チーム部門)の順位だ。このままでは、ケーターハム、マルシャ、HRTの下位3チームのなかで、(チームとF1運営団体側が結ぶ)コンコルド協定に規定された分配金を得るのは10位のマルシャになる。
コバライネンは、実力こそフェルナンデスのお墨付きだが、スポンサーがついていないことがネックだ。
「持ち込みスポンサーのありなしでシートが決まるかどうか、僕は知らないよ」
フェルナンデスがコバライネンの後釜に検討しているのは、オランダ人ドライバーのギド・ヴァン・デル・カルデだ。ヴァ・デル・カルデは現在、ケーターハムの金曜フリー走行1回目のドライバーを務めている。
ヴァン・デル・カルデのレースドライバー昇格は、先ごろ31歳になったばかりのコバライネンがドライバー市場に出ることを意味する。
『National(ナショナル)』にコバライネンは「もちろん、いろいろ考えているよ」と明かしている。
「このことに関して、特にストレスは感じていない」
それでも、ケーターハムがコンコルド協定に基づく分配金を得られなかった場合、コバライネンに代えてチームに資金を持ち込める“ペイドライバー”を採用する可能性は、コバライネン本人も理解している。
「チームは難しい決断をせまられているね。僕が資金を持ち込まないことはチームもよく分かっている。お金をもらって走る、それが僕のやり方だ」
「僕の実力不足なら仕方がないよ。だけど、お金を払ってシートを手に入れるつもりは毛頭ないんだ」