フェラーリはフェリペ・マッサを解雇すべきである。こう主張するのは、かつてフェラーリにも所属したこともある元F1ドライバー、ゲルハルト・ベルガーだ。
前戦の日本GPで2位という結果を残したことから、フェラーリ残留が濃厚と考えられているマッサ。しかしベルガーは若干当惑した様子で、ドイツ紙『Auto Bild(アウト・ビルト)』に対して次のように語った。
「それはナンセンスだよ」
「たった1度のレースだけ良くても駄目なんだ」
「私だったら、ヒュルケンベルグ(ニコ・ヒュルケンベルグ/フォース・インディア)かディ・レスタ(ポール・ディ・レスタ/フォース・インディア)を起用するね。2人とも若くてスピードにも恵まれている。コンストラクターズ(チームランキング)争いをする中で、これこそまさにフェラーリが必要としているものだ」
一方のフェラーリは違う意見のようだ。
例えば、あるチーム関係者が『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対して「若手ドライバーの中には“彼にしよう”と断言できる者がいない」と語ったという。
当のマッサも、7日(日)、ポルトガルのメディアに対して自身の未来が安泰であるかのようなコメントを残している。
「僕たちがこれまで行ってきた交渉は、それ(新契約)へと向けてのものだった」
「できるだけ早く、確かなものにしたいね」
フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリも、イタリアの日刊紙『『La Stampa(ラ・スタンパ)』の中で「もうすぐ発表できると思う」とマッサの残留をにおわせるコメントを発している。
このニュースが現実のものとなれば、トップチームのドライバーはすべて決定することとなり、それに続いて残りのチームのドライバーも徐々に埋まっていくだろう。
なおフェラーリエンジンを搭載するザウバーは、日本GPで初表彰台を獲得した小林可夢偉と契約を更新すると見られており、遅くとも11月中にはドライバーラインアップを明らかにするとチームは発表した。
また、ザウバーのチームCEOを務めるモニシャ・カルテンボーンは、マッサの将来について興味深い発言をしている。マッサがフェラーリを去るようなことになった場合、古巣であるザウバーに帰ってくる、との憶測が全くの見当外れだというのだ。
イギリスの日刊紙『『The Sun(サン)』の記事において、カルテンボーンはこう語っている。
「それ(ザウバーの決定)はフェラーリとは一切関係ありません」
マッサの残留発表は次戦の韓国GP(14日決勝)の直前あるいは直後になされると考えられている中、ドメニカリは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対してこう述べた。
「彼にとって重要な時期における(日本GPの)2位という結果は、非常に大きな意味を持つ」
それはつまりマッサが残留するという意味なのかとの質問に対しては、「最初のステップさえ踏み出していないんだ。二歩目に進むのはやめておこう」とドメニカリは答えている。