勝利に対する意欲の喪失からミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)は引退するに至った。こう指摘するのは元F1ドライバーのジャン・アレジだ。
フランスのスポーツメディア『RMC』に対して、アレジは次のように語った。
「彼はレースを楽しむために戻ってきた」
「しかし是が非でも勝ちたいと願う若手ドライバーと同じだけの哲学を、彼は失ってしまったんだ」
「こういったマシンでレースをする世界に帰ってきたからには、頂点に立つためにはすべてを犠牲にしなくてはならない」
「他チームよりもマシンの状態が良くない場合、ある年齢に達したドライバーにはこの姿勢がさらに重要になってくる」
その一方で、統括団体FIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドが、シューマッハ引退に関する興味深いエピソードを明らかにした。
今月4日(木)に正式に引退発表をしたシューマッハだが、メルセデスAMGの首脳陣であるノルベルト・ハウグ(メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者)とロス・ブラウン(チーム代表)に対してシューマッハが引退する意向を伝えたのは、その「5分前」だったことをチームは認めている。
しかしかつてシューマッハと共にフェラーリの黄金時代を築き上げ、現在はシューマッハと親友関係にあるトッドは、引退に関するすべてを「数日前」に知っていたという。
「ミハエルの決断を数日前に知らされたんだ」
「(シューマッハとは)話す機会があったので、彼が引退を表明したとき、私は覚悟ができていたし、(引退の)理由も理解していた」
今後のシューマッハの動向については分からないとしながらも、トッドはこう付け加えた。
「どうなるのだろうね。ただし忙しい毎日を送ることは間違いないと思うよ」