2007年のF1王者になりながら、2009年末に突然F1界を離れたキミ・ライコネン(ロータス)。クールな立ち振る舞いや言動から「アイスマン」のニックネームを持つライコネンが、今年F1に帰ってきた。
F1への登竜門と言われるF3も経験せず、入門カテゴリーとされるフォーミュラ・ルノーを戦ったのみで一気にF1まで駆け上がったライコネン。2001年にザウバーからF1デビューを果たすと、翌年にはトップチームのマクラーレンへ移籍した。マクラーレンでライコネンはずばぬけた速さを見せたものの、マシンの信頼性や競争力不足に泣かされることも多く、タイトルには手が届かず。2007年からはフェラーリへ移籍した。
フェラーリへ移籍すると、いきなり開幕戦で優勝。その後も安定した強さを見せ、当時マクラーレンに所属していたフェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンを抑えてタイトルを獲得した。しかし、その後はタイトルから遠ざかり、2009年限りでF1から離れ、WRC(世界ラリー選手権)へ転向した。
だが、ライコネンはロータスからF1へ復帰。今年のロータスは、優勝にも手が届きそうな速さを見せながら、まだ勝てずにいる。日本GPでは、「ダブルDRS」と呼ばれる新パーツを実戦投入するとも言われており、これが投入されれば、鈴鹿のコース特性では効果が大きいとみられる。帰ってきた「アイスマン」の初勝利を、鈴鹿で目撃できるかもしれない。