先週末、F1の熱狂的なファンの口をついて出た言葉は「モスクワ」だった。今週末にはドイツGP(22日決勝)、そして来週末にはハンガリーGP(29日決勝)と2週連続でF1グランプリが開催されることになるが、その前の最後の休日となった先日、F1の話題の中心となったのはロシアだった。
2014年に海岸沿いのリゾート都市であるソチで初のF1グランプリが開催される予定となっているロシアだが、今回はクレムリンを囲むように設けられた特設市街地コースで、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)を含む現役ドライバーたちによって最新のF1カーによる走行が披露された。
ハミルトンは、「モスクワにはチャンスがあると思うし、いつか市街地レースが開催されるといいね」と『RIA Novosti(ロシア・ノーボスチ通信社)』に語っている。
今回のモスクワで開催された市街地レースイベントにはシャルル・ピック(マルシャ)とフェラーリのテストドライバーであるジャンカルロ・フィジケラも参加した。
モスクワ市役所の広報官であるウラジミール・チュルニコフは、今回のイベントが、将来さらに大きなイベントを開催するための前奏曲となることを期待していると認め、次のように語っている。
「モスクワでは本当にF1を開催する準備が整っている」
一方、モスクワ郊外に建設されたF1テスト走行基準に則ったサーキットであるモスクワ・レースウェイにおいて、このほどフォーミュラ・ルノー3.5シリーズのレースが初めて開催されたが、そこでインタビューを受けた過去4度F1タイトルを獲得したことのあるアラン・プロストも、ロシアの首都モスクワで市街地コースを行うことは「可能かもしれない」と、次のように述べている。
「バーニー(F1最高責任者であるバーニー・エクレストン)やいくつかのチームはそれが実現すればいいと思っていることを知っているよ」
なお、モスクワ・レースウェイではフォーミュラ・ルノーのレース開催に併せて、レッドブルのF1カーによるデモンストレーションも行われている。また、ロシア人F1ドライバーであるビタリー・ペトロフ(ケーターハム)もステアリングを握った。さらに、トロ・ロッソのダニエル・リチャルドも顔を見せていた。