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排気規制は2013年により厳しくなる可能性も

2012年04月07日(土)11:05 am

F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の技術部門責任者であるチャーリー・ホワイティングが、排気に関するルールが2013年に再度変更される可能性を認めた。

今年からFIAは、昨年多くのチームが取り入れていた「ブロウンディフューザー」に類する排気処理を厳しく取り締まっている。

ブロウンディフューザーとは、エンジンからの排気をマシン後方に設けられたディフューザーという空力パーツに当てることで、クルマを路面に押し付けるダウンフォースを増すことを目的としたシステム。レッドブルが2010年にこれを導入し好成績を収めたことから各チームがそれを模倣した。

新たなルールによって排気処理のレイアウト方法が制限され、サーキットのレイアウトに合わせてエンジンを自動で制御するエンジンマッピングも合わせて規制されたため、エンジンから高速で吹き出す高熱の排気を空力的に利用することは非常に難しくなった。

「しかし、(F1チームが)排気を当てたい部分に導こうとできる限りのことをやってくるだろうということは分かっている」とホワイティングはFIAの『InMotion(インモーション)』誌のなかで述べている。

またホワイティングは「(その効果は)以前の20%になると思う」とも述べている。

2012年のルールの範囲内で特に巧みで効果的な方法を編み出したのがザウバーだった。チャンピオンチームのレッドブルがそれにならって同様の排気処理を取り入れたほどで、フェラーリもそれに続くと見られている。

しかし、ホワイティングは「2013年には、この問題にもう一度取り組む必要が出てくると思っている」と述べ、2013年のルールでは規制がさらに厳しくなることを示唆した。

その一方でホワイティングは、一度割れた卵は元に戻らないとも述べている。

メルセデスAMGのテクニカルディレクター、アルド・コスタは、空力学的表面近くで排気管から高速の気流が噴出するのだから、「こんなに素晴らしいものを無視することはできない」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に語っている。

ホワイティングはこの点についてこう説明する。「一度発明されたものを捨て去ることはできないといういい例だ。エンジニアたちは効果が得られることを知っているし、この領域にはまだ開発の余地がある」

「エンジニアたちの記憶をコンピュータのメモリのように消去するようなことは不可能だろう?」とホワイティングは規制の難しさを認めている。

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