キミ・ライコネン(ロータス)は、今も以前のような走りを見せられる。
こう語ったのは、ペドロ・デ・ラ・ロサ。現在はHRTに所属するデ・ラ・ロサだが、2006年にはマクラーレンでライコネンのチームメートを務めていた。当時デ・ラ・ロサは、マクラーレンのテストドライバーだったが、シーズン途中でファン・パブロ・モントーヤがチームを離れたため急きょ代役出場し、残りのシーズンをライコネンのチームメートとして走った。その翌年ライコネンはフェラーリに移籍し、F1チャンピオンになっている。
「 アイスマン(Iceman)」のニックネームを持つライコネンは、2010年からF1を離れていたが、32歳になる今年、2年ぶりの復帰を果たした。だが、開幕戦オーストラリアGPの予選では、思わぬ失敗で最初のセッションQ1で敗退している。
のちに明らかになったところによると、ライコネンはヘルメットのバイザーを違う色合いのものに交換するためピットインし、そのせいで時間内に最終アタックをすることができなかったという。
フィンランドの『Helsingin Sanomat(ヘルシンギン・サノマット)』紙によると、ライコネンはこの出来事について「ちょっとヘマをしちゃったよ」と言っていたという。
また翌日の決勝では、後続のクルマに対して示されていたブルーフラッグ(周回遅れになることを示す旗)を自分に出されていると勘違いして無線でピットに尋ねるという場面も。ライコネンは2年間のブランクでブルーフラッグの意味も忘れてしまったのかと冗談を言うむきもある。
しかし、デ・ラ・ロサの意見は違う。予選Q1でトップから107%以内のタイムを記録できず、規定により決勝への出場が認められなかったデ・ラ・ロサは、観客としてレースを見ており、「キミは素晴らしいパフォーマンスを見せた」と評した。
「キミは驚異的な才能を持っている。間違いなくこれまで見たなかでトップレベルなドライバーの1人だ」
「キミと彼のチーム(ロータス)は本当に競争力があるように見える。彼らが今季最大のサプライズになる、というのが僕の予想だよ」というデ・ラ・ロサのコメントをフィンランド紙『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』が伝えている。