ザウバーが、テクニカルディレクターとしてチームの技術部門を率いてきたジェームス・キーの離脱を発表した。
キーは、2010年にフォース・インディアからザウバーへ移籍。前任者のウィリー・ランプが職を離れた同年4月からテクニカルディレクターとしてザウバーの技術部門を率いてきた。
ザウバーは2010年、前チームオーナーのBMWがF1から撤退し、チーム売却に失敗したことから、チーム創設者のペーター・ザウバーが急きょチーム代表に復帰し、資金的にも苦しいシーズンを過ごした。キーはこういった難しい状況の中でテクニカルディレクターとして奮闘していた。
しかし、ザウバーは2012年に向けて技術部門の再編を行い、空力部門、設計部門、パフォーマンス部門、オペレーション部の責任者がそれぞれ、設計や開発を率いていくことになる。また、キーはザウバーを退社するとのことだ。
ザウバー代表は、チームを離れるキーについて次のように語った。
「約2年間の間、ジェームスはチームのために多くのことを成し遂げてくれた。特に、メーカー系のチームからプライベートチームへの移行期という難しい時期に、チームの安定性を取り戻すため多大な貢献をしていた。彼の働きに感謝するとともに、今後の幸運を祈っている」
一方、2年間でチームを離れることとなったキーは、こうコメントしている。
「ザウバーF1チームでの2年間を楽しむことができた。大規模なチームから小規模チームへの移行期だったので、非常に濃密で興味深い時間であり、全員がとてもよくやってくれた。このチームは将来へ向けた体制を整えられており、チームの幸運を願っている。イギリスでの新しい仕事をオファーされ、それを受けることに決めた」
キーの語っている「イギリスでの新しい仕事」が実際には何なのか、今のところ明らかになっていない。しかし、多くのF1チームがイギリスに拠点を置いていることから、他チームへ移籍する可能性も高い。