ブルーノ・セナのウィリアムズ入りが決定したことで、引退の危機に追い込まれたルーベンス・バリチェロ。しかしバリチェロは、まだ公の場でコメントを残していない。
『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』紙は17日(火)にバリチェロと連絡を取ることができたものの、今はコメントをする気になれないとことだった。1993年にF1デビューを果たし、これまでに19シーズン、300戦以上を戦い抜き、F1の最多参戦記録を更新中のバリチェロは「時間がたったら話すよ。まずは親しい記者の人たちにね」と語った。
以前、まだ2012年の自身の状況が確定しない最中、バリチェロはF1から引退する可能性があることを認めていた。
「なるべく何もかもを知ろうとしないようにすると思う。1年間家族との時間を楽しむんじゃないかな。それでもその後、僕のスピードに対する情熱が、レースなしの環境を拒んでくるだろうね」
「妻との約束があるから、オーバル(だ円形のコース)を走るアメリカのレースはやらない。その約束は守るつもりだよ」とバリチェロは話している。
現時点では、バリチェロの引退は決定的だ。
1996年のF1王者デーモン・ヒルは「これから先、ルーベンスが何シーズンF1でのキャリアを続けることができるかは分からない。それにしたって、彼は偉業を成し遂げたと思うよ」とバリチェロに賛辞を送った。
ホンダがF1から撤退し、そのチームを現メルセデスAMGのロス・ブラウン(チーム代表)が引き継いてブラウンGPが発足した2009年、セナがバリチェロのシートを奪うのではないかと考えられていたが、結局はバリチェロがブラウンGPにとどまった。しかし、今回はセナがバリチェロとのシート争いに勝った形になる。
「まだ彼(バリチェロ)とは話していない。僕たちは仲の良い友人だけれど、これがモータースポーツの世界なんだ。お互いに個人的な感情はないよ。ルーベンスはプロだからきっと理解してくれるはずだ」とセナは語った。
『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』紙はさらに「ルーベンスは、誰かが入って、誰かが去らなくてはいけないというこのスポーツの一面を僕よりもよく理解していた。僕たちの関係は素晴らしいものだし、これが継続していくと確信している」というセナのコメントを掲載した。