不振が続くフェリペ・マッサ(フェラーリ)には、あと2レースの猶予が与えられている。今週末のF1第11戦ベルギーGPと第12戦イタリアGPだ。新契約のためには、その2戦で結果を出さなければならない。
何しろマッサのシートには、キミ・ライコネン(ロータス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、ジュール・ビアンキ(マルシャ)、さらにはジェンソン・バトン(マクラーレン)も後がまとして名が上がっているのだ。
しかし、フェラーリのチーム代表を務めるステファノ・ドメニカリは22日(木)、ブラジル『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙に、マッサが今も来季の最有力候補で「間違いない」と話している。
ドメニカリは一連のうわさについて次のように語った。
「ヒュルケンベルグとか(ポール)ディ・レスタとか、多くの名前が(マッサのシート候補に)出回っているね」
「何回も同じ発言を繰り返したくはないが、誰が来季フェルナンドのチームメートになるか、今は話さない」
「われわれは別に慌てていない。今は、ほかに先決問題があるのでね」
だとしても、うわさの登場人物には同じ質問が繰り返される。例えばアロンソだ。もし、ライコネンがチームメートになったとしても「何も恐れない」といい切っている。
だがアロンソの考えとしては、やはりマッサがベストの選択肢だ。
「フェリペは、2008年や2009年当時の彼より成長しているよ」と、アロンソは言う。
しかし、ブラジル人記者のリビオ・オリッキオは、ここ数週間マッサのマネジャーであるニコラ・トッドは多忙を極めていると指摘。2014年のシートを探しまわっているのだ。マッサ自身もそれを否定しない。
「将来の選択肢が見えれば、気も楽になる」とマッサは話す。「レースを辞める気はないよ。フェラーリがいくつか選択肢を探っているのだって、無理もない」
F1パドックにいる多くは、いよいよフェラーリに変革の時が来たと思っている。
「フェリペはすごくいいやつだよ」とドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話すのは、イギリス人F1解説者のマーティン・ブランドル。「だが、フェラーリがもう1年、彼を雇うようなことになったらゲンナリだ」
ブランドルと同業のジョニー・ハーバートもその意見に同意する。「フェリペは速いが、安定性に欠けるよ」
これに対してマッサは次のように反論する。「他人のいうことなんか気にしていられるかい」
「大切なのは自分の信念であり、僕に対するチーム内部の人間の発言だよ」