現在、新聞のヘッドラインをにぎわせているのは2014年F1ストーブリーグだが、それより重要なことがらが存在する。2013年のF1チャンピオン争いだ。
第10戦ハンガリーGPでポールポジションから優勝したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が現在ポイントリーダーのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)にとって真の脅威となったのは多くが認めるところだ。
だが、ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーの意見は違う。
「ルイスはハンガリーが得意なんだよ、いつだってね」と、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に話すウェバー。
「だから、メルセデスAMGの調子がどうあれ、僕はあまり考えないことにしている」
「それよりも、ロータスの堅実な戦いぶりに目を向けるべきじゃないかな」と、ウェバー。確かにポイント争いでベッテルに近いのは、ハミルトンではなくキミ・ライコネン(ロータス)のほうだ。
「メルセデスAMGもフェラーリも、よりアップダウンが激しいチームだよね」と、ウェバーは付け加える。
ただ、果たしてロータスが今の調子を維持できるかどうかは多くが疑問視するところだ。彼らとタイトル争いを繰り広げるライバル勢のほうが資金は豊かだ。もし、ロータスのような小規模チームが2013年タイトルをかけて、このまま今季型マシンの開発に力を注げば、2014年のプログラムをおろそかにしかねない。
ウェバーは「われわれには最高のインフラが整っているだけに、2013年から2014年への開発シフトをより遅らせることができる。エイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)を知る者なら誰でも、彼のあきらめの悪さも心得ているはずだ」と語り、次のように続けた。
「それに、他チームのことは分からないが、ニューイだったらニューマシン開発の遅れも慣れっこだ」
まさしくそれが理由で、レッドブルのライバルたちは、今年あと1回のマシン開発を経て、このまま2013年にこだわることに意味があるかどうかを見極めることになっている。
フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)もウェバーと同意見だ。「次の4戦が非常に大切だ」
「スパのダウンフォースは中ぐらいだが、次のモンツァ(F1第12戦イタリアGP)はなるべくダウンフォースを削る方向だ。逆に第13戦シンガポールGPはもっともダウンフォースを必要とする」
「その後は、僕らの成績次第だね」