F1最高権威バーニー・エクレストンは、迫り来る贈賄の容疑がF1における職務に直接影響を及ぼす恐れはないと主張している。
ドイツの検察当局がゲルハルト・グリブコウスキー事件に関するエクレストンの容疑を訴追した場合、F1のオーナー企業であるCVCキャピタル・パートナーズはエクレストンを退陣させるかもしれないと言われてきた。
しかし、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は先週、「彼(エクレストン)には職務をまっとうする権利があるし、仕事ぶりも素晴らしい」と話した。
さらに、「彼はCVCからも雇われている身であるため、決めるのはCVCだ」との見解も示した。
ところが、エクレストンには直ちに職務を引き継ぐことのできる補佐官的立場の者がいないため、最近のパドックでは何名かの候補者の名前が挙がっていた。
そのうちのひとりがイギリスのスーパーマーケット大手、『Sainsbury’s(セインズベリーズ)』の最高経営責任者ジャスティン・キングであった。しかし、エクレストンは通信社『Bloomberg(ブルームバーグ)』にキングを不採用にしたと述べた。
「彼らが求めた人々がわれわれの一員になった場合、有名になりたいと望むだろう」とエクレストン。しかし、補佐官的役割を果たす者とともに働くことには前向きであると話す。
「もし、良い候補が思いついたら、まずは一緒に仕事をしてもらう」
「これまでたくさんの人が候補に挙がったけど、わたしの仕事をこなせるタイプの人たちではないと思う」
一方で、単なる汚職の疑いだけでは、仕事に何の危険も及ばないと強調してみせた。
「彼ら(CVC)はわたしが起訴されたことをまったく心配していないよ。問題なのは、収監されるかどうかだ」
「とても気楽に構えているし、パニックに陥ってはいない」とエクレストンは説明した。
しかし、ドイツ国内の法的問題が解決されない限り、F1の株式公開を目指す計画は後回しになる。
「いま市場へ参入するのは馬鹿げているだろう。まずはひとつ残らず問題を解決するのが先決だ」とエクレストンは打ち明けた。