ロータスのチーム代表エリック・ブーリエは、高報酬の「スーパースター」に頼らないチーム構造を作り上げたと言う。
ブーリエが意味しているのはエンストンの本拠地で働くチームスタッフのことだ。チームはベネトン、ルノーを経てロータスとなった。
フランス人のブーリエは、親会社のジェニー・キャピタルに代わってチームを取り仕切っている。ジェニーはルクセンブルクの投資会社で、2009年にルノーF1チームを買い取った。
「私はまずグループを再構築しなければならなかった」
「今まで自分の最高の仕事を見せる機会のなかったスタッフたちにチャンスを与えた。彼らにクリエイティブになるように言ったんだ」とブーリエは『O Estad de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』に語った。
ブーリエはチーム内で昇格させたり、「有名な」ボスの下で働きチャンスのなかった他チームのスタッフを引き抜いたりしてチームを作っていった。
「彼らがロータスで働いてくれるのは本当にありがたい、うちは高い給料を払えるわけじゃないからね」
「レッドブルに比べたら給料は半分以下じゃないかな」
しかし、ブーリエのマネジメントは成功に向かっているようだ。キミ・ライコネンが2013年の開幕戦で優勝を飾り、2013年型車E21はタイヤに最も優しいマシンだと評されている。ピレリのタイヤの性能がレースを左右する現在のF1で、この評価は非常に重要なポイントといえる。
「今ではロータスのスタッフがライバルチームからの勧誘を受けるようになった」というのは、明らかにテクニカル・ディレクターのジェームス・アリソンの事であろう。アリソンはマクラーレンから勧誘を受けているとの報道がある。
「うちのチーム構造なら、誰か一人が抜けてもチーム全体には影響しない。必ず数人がチャンスを狙っているからね」
「ロータスにはスーパースターはいないんだよ」とブーリエは力説する。
ブーリエの最初の目標「良いチーム構造を確立する」は達成した。2番目の目標「レースに勝つ」も達成した。
「その次のステップはタイトルを獲得すること、そしてタイトル争いの常連になることだ」とブーリエは目標を掲げた。