先週、今年最後のF1公式シーズン前テストが終了したが、レッドブル首脳陣は明らかに不安な表情を浮かべていたと、元F1ドライバーであり、現在は解説者を務めるマルク・スレールが指摘している。
バルセロナで行われた最終テストにおいて、メルセデスAMGがテスト期間中の最速タイムを記録したが、レッドブルのマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルは、それよりも2秒も遅いタイムに終わっていた。
スレールは、『T-Online』のインタビューに対し、「(レッドブルの)首脳陣の顔は不安そうに見えた」と述べ、次のように続けた。
「メルセデスAMGに対して2秒遅かった。これは大きな差だ。仮にベッテルが燃料を多めに搭載していたとしてもね」
「フェラーリが速いことに驚いたようだったが、特にメルセデスAMGがあれほど速かったのには驚いたようだった」
では、なぜレッドブルは突然問題を抱えてしまったのだろうか。
シーズン前F1テストの期間中、どのドライバーや評論家たちも、今季は基本的に2012年のルールが変更されていないこともあり、過去3年連続でドライバーとチーム別の2冠を達成しているレッドブルが今年もまた強さを発揮するだろうと予想していたにもかかわらずだ。
スレールはこの問いについて次のような仮説を立てている。
「レッドブルは最新のパーツを隠しておいたんだ。ライバルたちがそれを真似できないようにね」
「ところが、それらのパーツがうまく作用せず、クルマは速くならなかったというわけだ」
もうひとつの可能性としては、レッドブルが計画どおりに手の内を隠しているということだ。
メルセデスAMGの非常勤会長であり、株主でもあるニキ・ラウダは、ドイツの放送局『RTL』に対し、「最後のテストでわれわれが速いということを示せてうれしいよ」と語りつつも、次のように続けている。
「だが、テストでの数値というものは非常に限定されたものだということも分かっている。なぜなら、ほかのチームたちが駆け引きをしているのかどうか、それがどの程度なのかということが分からないからね」
さらに、もうひとつの可能性もある。それは、かつてレッドブルに後れを取っていたライバルたちが、単に追いついてきたということだ。
「ルールが変更されていないため、どのチームも接近してきている」と語ったラウダは、さらに次のように続けた。
「つまり、もし自分たちのクルマが遅かったとしたら、それを改善することができる。だが、レッドブルの場合はそれが難しいんだ。なぜなら、すでに最高のクルマにしていたわけだからね」
ラウダは、さらにブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙に対しても次のように述べている。
「間違いなくわれわれのクルマはいいよ」
「だが、レッドブルと比べてどうなのかということを知るには、最初のレース(開幕戦オーストラリアGP/3月17日決勝)まで待たないといけない」