スペインGPでウィリアムズに勝利をもたらしたパストール・マルドナードのチームメートであるブルーノ・セナ(ウィリアムズ)にチームからプレッシャーがかかっていると言われていたが、セナ本人がこの説を否定した。
チームメートのマルドナードがスペインで予選トップからそのまま優勝を飾ったのに対し、セナはマレーシアでの6位が今シーズン最高位だ。ドライバーズランキングでもマルドナードは29ポイント獲得の9位だが、セナは15ポイント獲得の13位となっており、結果に差があることは否めない。
しかし、ウィリアムズのレースシート維持にはグランプリ優勝が絶対条件ではない、とセナは主張する。チームがリザーブドライバーのバルテリ・ボッタスのレースドライバー昇格を検討しているとのうわさがあるが、安定してポイントを稼ぐことでシートを維持できる、との考えを『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』に明かしている。
「今年、レースに勝たなければいけないわけじゃないよ」
「安定した走りをして、コンスタントにポイントを取る。それから、レースで実力をしっかり発揮する、それが僕に求められているものだ」
「F1で勝利するにはすべてが正しい方向に進まなければだめなんだ。速いクルマ、いい順位、正しいタイヤ選択、戦略の成功といったものすべてだよ」
「それらをすべてまとめあげるのは難しいんだ。それはチームの誰もが知っている」
「今年、チームは僕に学ぶチャンスを与えてくれた。だから、来年は、レースに勝てる順位を求められるだろうね」
『Globo(グローボ)』によると、金曜日のフリー走行1回目のセッションをボッタスに譲っていることで、ピレリのタイヤへの理解がなかなか進まないのだとセナは考えているようだ。
特に、走行時間の少なさがタイヤの理解度に大きく影響したのが、マルドナードが優勝したバルセロナ(スペインGP)だったとセナは話している。
「パストールは自分のタイヤの状態をしっかり学べたんだ。これは実際に経験することでしか学べないし、外せないポイントなんだよ」
セナが重要視するピレリのタイヤは、今シーズンのF1に大混戦をもたらした要因のひとつだと言われている。6戦を終えて6人の勝者が生まれた2012年シーズンのチャンピオンの行方を尋ねられたセナは、予想は難しいと話している。
「僕個人の意見では、一番速いのはロータスのクルマだ。でも、なぜかいつもうまくハマらないみたいだね」