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ウィリアムズ代表辞任は実は更迭だった?新チーム代表候補にスージー・ヴォルフやジェンソン・バトンの名前も

2022年12月19日(月)20:23 pm

ウィリアムズは、2021年から2年間にわたってチーム代表を務めていたヨースト・カピートとテクニカルディレクターのフランソワ-グザヴィエ・ドゥメゾンが2022年シーズン限りでチームから離脱すると発表したが、現時点においては2023年から誰が新代表としてチームを束ねることになるのかは明らかにされていない。

当初、かつてフォルクスワーゲンのWRC(世界ラリー選手権)責任者として大成功を収めた実績を持つカピートとドゥメゾンの同時離脱は、2026年から正式にF1参戦するフォルクスワーゲン傘下のアウディと手を組むことになるザウバー(アルファロメオ)への移籍のためかとの報道もあった。

だが、どうやら、2022年にF1コンストラクラーズ選手権で最下位に沈んだことから、現在ウィリアムズのオーナーを務める投資会社『Dorilton Capital(ドリルトン・キャピタル)』が、カピートとドゥメゾンを更迭したというのが本当のところのようだ。

■次期代表はチーム内での昇格だろうとラルフ・シューマッハ

かつて、1999年から2004年まで、ウィリアムズで6年間を過ごした経験を持つ元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、母国ドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に今回のウィリアムズの決断に関して次のように語った。

「あれにはちょっと驚かされたよ」

「私には、投資家たちが進展状況に対して少し怒っていることが想像できる。経営陣には少し忍耐が足りなかったと思うし、ヨーストが少し気の毒に思えるよ」

「彼にはもっと時間が必要だったし、今回の決別は、彼にとっても驚きだっただろうと思うよ」

ラルフ・シューマッハは、ウィリアムズが誰を次のチーム代表に据えるのか見当もつかないと認めたものの、恐らく「内部」の人間を昇格させるのではないかと予想している。

■複数のメディアがスージー・ヴォルフ有力候補節を展開

だが最近、スイスの『Blick(ブリック)』紙、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』や『f1-insider.com』を含む複数のメディアが、スージー・ヴォルフがウィリアムズの次期チーム代表の有力候補であると報じている。

スージー・ヴォルフは、現在メルセデスF1チームの代表を務めるトト・ヴォルフの妻だ。2011年に当時ウィリアムズの取締役を務めていたトト・ヴォルフと結婚したスージーは、翌2012年にはウィリアムズの開発ドライバーとなり、2015年にはテストドライバーに昇格していた。

だが、その2015年にレギュラードライバーのバルテリ・ボッタス(現アルファロメオ)が負傷し、レース出走が微妙な状況となったとき、ウィリアムズはスージーに代役を務めさせることはせず、急遽エイドリアン・スーティルと契約を結ぶことを決断。

結局このときはボッタスが最終的に出走したためスーティルの出番もなかったのだが、このことで自分には絶対にF1ドライバーとしてグランプリで走るチャンスが与えられることはないとショックを受けたスージーは、その年をもってレーサーとしてのキャリアに終止符を打っている。

■現シニアアドバイザーのジェンソン・バトンも候補者リストに?

そのスージー・ヴォルフの名前と並んで、やはり元ウィリアムズドライバーであり、2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンの名前も新チーム代表候補ではないかとの噂もある。

2017年シーズンを最後にF1から身を引いた42歳のバトンは、現在ウィリアムズのシニアアドバイザーを務めており、チームとの太いパイプがあるのは確かだ。

■最も注目を集めるのはヴォルフだとスイス紙

しかし、『Blick(ブリック)』は、今月6日(火)に40歳になったばかりのスージーが、かつてザウバーを率いていたモニシャ・カルテンボーンに次ぐ史上2人目の女性チーム代表に就任すれば、最も注目を集めることになるだろうとしている。

スコットランド出身の元レーシングドライバーであり、F3やDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で戦った経験を持つスージー・ヴォルフは、2018年にメルセデス傘下のベンチュリ・フォーミュラEチームの株主となり、その後チーム代表に就任。そして、2022年1月にはチームCEOに昇格していた。

しかし、ベンチュリ・フォーミュラEチームがマセラティに買収されることが決まったことから、スージー・ヴォルフは今年8月に2022年限りでチームから離脱することを発表していた。

もしも、この噂通り、スージー・ヴォルフがウィリアムズのチーム代表に就任することになれば、トト・ヴォルフとスージー・ヴォルフは夫婦でありながら、ライバルF1チームの代表として争わなくてはならない関係となってくる。現在、ウィリアムズがメルセデスからエンジン供給を受けていることもあり、その関係がさらに強化されることも想定されるが、いずれにしても、本人たちばかりでなく、チームやF1関係者としても、少なからずやりにくい状況が生まれることも考えられそうだが・・・・・・。

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