2022年限りでハースのシートを失ったミック・シューマッハが2023年にはメルセデスのリザーブドライバーを務めることが15日(木)に正式に発表された。
その一方で、2019年からアカデミードライバーとしてフェラーリの支援を受けてきていたシューマッハだが、フェラーリもこのほど正式にシューマッハとの契約を解消したことを明らかにしている。フェラーリが出した声明によれば、この決定はお互いの合意のもとでなされたものだとされている。
ともあれ、進退が不透明となっていたシューマッハは、2023年には全てのグランプリでメルセデスの公式リザーブドライバーを務めることになる。メルセデスは、父親であるミハエル・シューマッハが2010年にF1復帰したチームであり、ドイツの自動車メーカーであるメルセデスにとっては、リザーブとは言え、有名なドイツ人ドライバーを自分たちのドライバーラインアップに加えることができたのは意義のあることだろう。
■シューマッハのフルタイムドライバー復帰を願うベッテル
2022年シーズンをもってF1を引退したセバスチャン・ベッテルは、シューマッハのメルセデス加入のニュースを受けてスイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語った。
「彼にはこれから、全てを消化するための時間が必要だよ」
「彼が多くの勇気と希望を持って次の仕事に向かえるよう願っている」
23歳のシューマッハにとっては師匠的な立場でもある35歳のベッテルは、シューマッハが2024年にフルタイムドライバーとして復帰する「いいチャンス」があると考えているようだ。
レッドブル時代に4年連続でF1チャンピオンとなった実績を持つベッテルは、シューマッハが2年間所属していたハースに言及しながら、シューマッハがシートを失ったからといって、それは彼にだけ問題があったわけではないと次のように語っている。
「マシンは特別なものではなかったし、チームは多くのミスを犯していたよ」
■メルセデスはシューマッハを温かく迎えるだろうとシュトゥック
ドイツ出身の元F1ドライバーであるハンス・ヨアヒム・シュトゥックも、『motorsport-total.com』に次のように語り、暗にハースのことを批判している。
「ミックにとって今重要なのは、若いドライバーが温かみを感じられ、彼らが自分の背中を押してくれると感じることができるチームに加わるということだ」
「彼はその人格と仕事の仕方によって、すぐにメルセデスで愛されるようになるだろう。みんなは彼に何ができるのかがわかると思うよ」
■ミックはトップチームで多くを学べるとラルフ・シューマッハ
ミックの叔父である元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも、シューマッハのメルセデス加入を歓迎している。
「もちろん、2023年もレギュラーコックピットを手にできればもっとよかったよ。だが、彼はメルセデスのようなトップチームで多くを学ぶことができる」
母国ドイツの放送局『Sport1(シュポルト1)』にそう語ったラルフ・シューマッハは、次のように付け加えた。
「そして、ひょっとしたらリザーブドライバーとして(コックピットに)乗り込むチャンスだってあるかもしれないよ」