かつてエンジンサプライヤーとしてF1の歴史に大きな足跡を残してきたフォードが、再びF1活動を開始する可能性があると噂されている。
■レッドブルは2026年からフォードとの提携を視野に?
ホンダが製造するエンジンを2025年まで搭載することになっているレッドブルに関しては、そのシーズンをもってホンダとの提携に終止符を打ち、2026年からは自社エンジン製造部門であるRBPTで独自に設計製造したエンジンで戦っていくことを目指している。
しかし最近の噂によれば、レッドブルは商業的観点からその自社製造エンジンのネーミングライツを他のメーカーに譲るとともに、そのメーカーから技術的サポートを受けるといったことも検討していると言われており、その筆頭候補がフォードだと考えられている。
フォードは最近、そうした噂について『Sports Business Journal(スポーツ・ビジネス・ジャーナル)』を通じて声明を出したものの、そこには「我々は憶測的な話にはコメントするつもりはない」と書かれている。つまり、今のところ、その噂を肯定も否定もしていない状況だ。
■ホンダがアルファタウリを買収する可能性も?
一方、別の噂では、ホンダはアルファタウリの買収を目指してレッドブルと交渉しているのではないかとも言われている。現時点ではそれが事実かどうかは不明なものの、もしそれが実現すれば、2026年以降、2008年以来となるホンダのワークスチームがF1に戻ってくるかもしれない。
そしてホンダは、2026年に導入される新F1エンジンの製造者登録を行ったことが明らかとなっているが、今の段階ではただちに参戦を決めたわけではないことを明かしているが、可能性は残しているということでもある。
■2023年にはHONDAのロゴが公式に復活
FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)はこのほど、2023年のF1エントリーリストを発表したが、そこにはレッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリが搭載するエンジンは「Honda RBPT(ホンダ・レッドブル・パワートレインズ)」と記載されている。
こうした流れから、ホンダとしてはワークスチームでのF1参戦の可能性、レッドブルとのコラボレーションの継続の可能性、どちらも残していることになる。
レッドブルとしては、良好な関係を維持しているホンダとの関係継続がベストだろう。しかし、4年後の2026年のことを今決められない日本的な事情も考えられる。そのため、レッドブルとしては選手権を勝ち続けるために、ホンダが辞めた時のことも検討しなければならないため、RBPT単独になった場合はマーケティング戦略としても有利になるアメリカ企業のフォードとの提携を考えるのも当然のことだろう。
いずれにせよ、ホンダの決断次第になりそうだ。