今季のF1第13戦オランダGP(9月5日)の主催者は、ザントフォールト・サーキットで開催されるF1レースのチケット購入者のうち約3分の1の者に対して、観戦ができなくなったという通知をしなければならなかった。
これは、オランダ政府当局が新型コルナウイルスの感染対策として10万5千人のキャパシティを持つザントフォールト・サーキットに対し、実際に現地に入場できる人数をその約3分の2までとする条件で開催を認めることを決定したためだ。
伝えられるところによれば、オランダGPの主催者はチケット購入者の中から無作為に3分の1の者を選び、18日(水)までにEメールでそれを通知したという。不幸にも抽選で今年の観戦が認められなかったチケット購入者にはそのチケットで2022年の観戦が保証されるが、ザントフォールトでは払い戻しの要求があれば、それにも応じるとしている。
オランダGPのスポーティングディレクターを務める元F1ドライバーのヤン・ラマースはこれについて次のように語った。
「最終的にはかなりの数のファンが来場できなくなる。非常にいらだたしく、残念なことだが、ほかに選択肢はないんだ」
以前、ラマースは、もしも観客が満員にならなければ、ザントフォールト・サーキットとしては財政的な理由でレース開催をキャンセルしなければならなくなる可能性もあると語っていた。
だが、ラマースはこのほど『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』に次のように語った。
「私からすれば、グラスには3分の2しか入っていない。それでやるしかないんだ」。
伝えられるところによれば、オランダGPのスポンサーのうち主要な3社がその不足分を負担することになったようだ。ラマースは次のように付け加えている。
「我々は、オランダにおけるF1の未来に投資しようと決めたんだ」
ともあれ、最近、10月に予定されていた鈴鹿サーキットでの日本GPの中止が正式に発表されたが、実際のところ、ほかにもいくつかのグランプリで開催に疑問符が付く状況となっている。それだけに、観客席を満席にすることはできないにせよ、オランダGPの開催が事実上確定したことはF1にとってはポジティブなことに違いない。