レッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューウェイは、2021年に導入される新レギュレーションはF1にふさわしいものではないと考えているようだ。
F1史上最も成功を収めたマシン設計者のひとりとして知られるニューウェイだが、このほどイギリスの『Inews』に対し、2021年に導入される新F1技術ルールは制約が多く、マシン設計の自由度が小さくなるため、本来のF1らしさが失われることになるだろうと次のように語った。
「2009年に行われた大きなルール変更はとてもよかったよ。あまり制限が大きくはなかったからね。だが、2021年の新ルールは非常に制約的かつ規範的だよ」
「それによって(F1は)ちょっとばかりGP1的なものになるだろうし、F1はそうあるべきではないと私は思っている」
「みんながどう考えているかにかかわらず、その導入が推し進められてきた。だから、それがこのスポーツにとっていいことなのかそうではないのかは、時がたたなければ分からないだろうね」
ニューウェイが言及したGP1というカテゴリーはもちろん実際には存在しないものだ。かつてGP2と呼ばれていたカテゴリーが現在のF2に移行したことを考えれば、ニューウェイとしてはF1とF2の中間に位置するレベルだという意味でこの語を用いたものと想像できる。
これまで天才的とも設計手腕により、ほかのチームが思いもよらなかった手法をF1マシンに取り入れてきたニューウェイにとっては、設計上の制約がさらに大きくなる新ルールの導入によってF1が本来のF1らしさを失うだろうと感じているのかもしれない。
だが、2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグはそうは考えていないようだ。
ロズベルグは、F1マシンの設計自由度に一定の歯止めをかけることによって各チームの力量が接近し、より面白いレースが展開されることになるはずだとフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語っている。
「エンジニアの自由を制限することで、チーム間のギャップがかなり減少することになるだろう。これは小規模チームにとってはものすごく重要なことだよ」