今年は1985年以来35年ぶりにF1オランダGPが復活開催されることになっている。その舞台となるのはザントフォールト・サーキットだ。
現在、5月のレース開催に向けてサーキットの改修作業が行われているが、それを担当しているのはイタリアのサーキット設計会社であるドローモ社だ。
ドローモ社の責任者であるヤルノ・ザッフェッリは新たに生まれ変わるザントフォールト・サーキットに関し、オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。
「ザントフォールトと鈴鹿がどちらもフーゲンホルツによって設計されたのは偶然ではないんだ」
ザッフェッリが言及したフーゲンホルツとは鈴鹿サーキットの設計者として知られるオランダ出身のジョン・フーゲンホルツ(1995年没)のことだ。
ただ、フーゲンホルツはザントフォールト・サーキットの責任者を務めていたものの、設計には実際のところ携わってはいなかったようだ。
しかし、ザッフェッリはオランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に対し、改修された2つのバンク付きコーナーのうちのひとつにフーゲンホルトの名前が付けられることになっていると明かし、次のように続けた。
「我々のシミュレーションによれば、ドライバーたちはターン2をフルスピードで駆け抜けることになるが、その後フーゲンホルツコーナーにどのラインをとって入って行くのかが非常に興味深いものになるだろう」
「角度は18度を超えるんだ。ここは本当に勇気あるドライバーのためのサーキットになりそうだね」
だが、コース幅が狭く、曲がりくねったレイアウトとなっているザントフォールトでのF1レースがエキサイティングなものになるとは思っていないドライバーたちがいるのも事実だ。
しかし、ザッフェッリは次のように続けた。
「ザントフォールトでは追い抜くことができないとよく言われる。だが、我々に声がかかったのはそれを変えるためだったんだ」
「我々はこのプロジェクトは非常にリスクのあるものだととらえている。我々にとってもそうだし、F1首脳部や全ての関係者にとってね。その理由はシンプルだよ。ザントフォールトは以前のものとは違うんだ」
「我々はいくつかの部分において歴史的な場所を変えているし、過去何十年にわたってF1では目にすることができなかったものを用意しているところなんだ」
ザッフェッリによれば、毎日ザントフォールトの上空にドローンを飛ばせて改修作業の様子を映像に収めているという。
だが、ザッフェッリは、実際のところF1チームにはサーキットについてあまり詳細なことは伝えていないのだと次のように続けた。
「チームたちは未加工のデータは手にしているが、それはサーキット全体のものではないんだ。それはもうしばらく我々の手元にだけ置いておくつもりだ」
「我々がそうしている理由は、彼らにシミュレーションを行う時間を与えたくないからだ。その方が驚きの要素が生まれるからね」
ザッフェッリによれば、1月下旬にはアスファルト舗装作業が予定されているようだ。
F1オランダGPは全22戦で戦われる2020年F1シーズンの第5戦として5月3日に決勝が行われる。