F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、ドライバーの頭部保護装置「ヘイロー」導入について、ドライバーとチームから合意を得る努力を続けている。
FIAは2018年からヘイローを正式に導入したい考えで、今年ここまでに全ドライバーが実際にヘイローを装着して走行テストを行った。
最終戦となるF1アブダビGP(27日決勝)のドライバーズミーティングでは、ヘイローによって負傷や死亡のリスクが下がることが再度プレゼンテーションされたと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。
また、FIAは、問題点として指摘されていたマシンが上下逆さまになって止まった場合にも脱出できることを実証し、緊急時にヘイローを2秒で切断できる装置も開発したという。
■マカオF3での事故映像を見たドライバーは
また、今年のマカオF3では、佐々木大樹がドライブするマシンが後方から追突された際に、追突したマシンが佐々木の頭上に浮き上がり、そのリアタイヤが佐々木のヘルメットをかすめて落下するという事故が発生した。
この映像もプレゼンテーションで流されたと『Motorsport.com』は伝えている。
ドライバーズミーティングを終えて、カルロス・サインツ(トロロッソ)は次のように話している。
「僕も今朝までは反対だったんだ」
「でも、ビデオを見て、ヘイローもそれほど悪くないと思ったよ」
ダニール・クビアト(トロロッソ)は次のように話す。
「F1は何百万人ものファンが見ているんだ。このスポーツにとって重要な問題だよ」
「最終的な決定を下すのはFIAだ。それでも、彼らはドライバーの意見を聞きたがっている」
■ドライバーの意見を重視するFIA
FIAは全チームとドライバーに対してアンケートを取り、その結果によっては導入の延期や別の保護装置の開発も検討するという。
しかし、ドライバーの大半が賛成した場合は、チームが反対してもFIAは導入を押し切る可能性もあると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。
■2016 FIA F3 World Cup - 予選レースハイライト映像(0:39秒付近でクラッシュ発生)