F1最終戦アブダビGP(27日決勝)をランキングトップで迎えているニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)の難しい立場を、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが解説した。
今年、チームとの契約を延長したロズベルグだが、ベルガーはその交渉役を務めた。
ランキング2番手のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とは12ポイント差のため、たとえハミルトンが優勝しても、ロズベルグは3位以内ならチャンピオンになることができる。
■クラッシュでのタイトル獲得は「リスクが大きすぎる」
過去にはライバル同士が接触してタイトルが決着したこともあった。1990年にはアイルトン・セナがアラン・プロストと、1994年にはミハエル・シューマッハがデイモン・ヒルとクラッシュしてチャンピオンになっている。
この可能性について聞かれたベルガーは、『Der Tagesspiegel(ターゲシュピーゲル)』紙に次のように語っている。
「たとえニコが前にいてドアを閉じる立場だったとしても、彼だけがリタイアしてタイトルを失うリスクが大きすぎる」
「ああいうことをうまくコントロールすることなど絶対に不可能だ」
それよりも、1コーナーをやり過ごして2位か3位でフィニッシュするほうがいい作戦だとベルガーは話している。
■攻撃はしたいがリスクは冒せない
しかし、状況はそれほど簡単ではないとベルガーは次のように説明した。
「彼は心理的に非常に難しい状況に置かれていると思う」
「攻撃する誘惑にあらがうのは本当に難しいことだが、リスクは減らさなければならない。それに、フェラーリにもレッドブルにも邪魔されないように、戦略もうまく選択する必要がある」
また、「リタイアはできないから、誰かが攻撃してきたら即座にドアを開けられるようにミラーから目を離さない」ことが必要だベルガーは話す。
しかし、ロズベルグならこの困難を乗り越えられるとベルガーは考えている。
「最近のレースで彼は強い精神力を見せている。特に、雨のブラジルは苛酷だった。それに、彼ならアブダビで少なくとも3位には入れると私は信じているよ」