フェラーリ首脳が、今季限りで契約が切れるキミ・ライコネンが来季もチームに残ることができるかどうかはまだ分からないと認めた。
●【結果】F1ヨーロッパGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニは、ライコネンの母国フィンランドのテレビ局『MTV』に次のように語っている。
「キミの契約更新が近づいていると言うことができる」
■ミスが目立つライコネン
だが、36歳となったライコネンだが、今季はここまでのところ浮き沈みの多いシーズンを送っている。これまでに行われた8レースで2度の2位を含む3度の表彰台に上っているが、第6戦モナコGPではヘアピンで単独クラッシュするというベテランらしからぬミスを犯し、先週末のヨーロッパGPでもピットに入る際に白線を横切るというルール違反を犯して5秒加算ペナルティーを受けてしまった。そしてその結果として3位表彰台をセルジオ・ペレス(フォース・インディア)に奪われてしまっていた。
■ペレスがフェラーリドライバー候補に浮上とのうわさ
一方で、メキシコ人ドライバーのペレスは逆にモナコとアゼルバイジャンで3位表彰台に上っており、ここへきて一気に評価が高まってきている。ペレスはかつてフェラーリのドライバー育成アカデミーに所属していたこともあり、来季はライコネンに代わってフェラーリのシートを得るのではないかとのうわさもささやかれ始めている。
さらに、現在フェラーリのスポンサーを務めるメキシコ企業カルロの総帥カルロス・スリムは、以前からペレスを支援していることでも知られている。
ある記者から、カルロス・スリムは最近のペレスのパフォーマンスをよろこんでいると思うが、と質問されたフェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネは次のように答えた。
「質問の意味が分からないし、なぜカルロス・スリムの名前が出るんだろうね」
「彼の会社はフェラーリのスポンサーを務めている。以上」
■ライコネンが最後にペレスに抜かれた理由は?
バクーで行われたヨーロッパGP決勝後に、ライコネンのミスについて質問を受けたフェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、「キミのミス? 残念ながら起きてしまったということだ」と答えるにとどまったが、アリバベーネがそれを補足して次のように説明した。
「ライコネンは最後にフォース・インディア(ペレス)に追い抜かれたが、それは燃料をセーブしていたからなんだ」
■来季の話はまだ早すぎる
そして、ライコネンとの契約更新に関して質問を受けたアリバベーネは、次のように続けた。
「まだ来季のことを語っても意味がないよ。誰の得にもならないし、今年の選手権が終わるのもまだずっと先のことだからね」
「キミは自分の仕事に完全に集中できているし、今日はセバスチャン(ベッテル)にとっていいチームメートであることを示してみせた。キミはいい仕事をしたよ。だが、我々はまだ決断を急いではいないんだ」
「今日はどちらのドライバーもいいレースをした。だが、我々はもっとクルマを改善する必要がある」
■ライコネンの将来を決めるのはライコネン自身
アリバベーネのコメントを受け、「我々は(来季のドライバーについて)まだ検証しているところだ。だが、現時点で集中すべきなのは我々のパイロットたちを無条件で支援していくことだ」と語ったマルキオンネは、次のように締めくくっている。
「キミはF1チャンピオンだし、経験も非常に豊かだ。そして、彼の将来はすべて彼自身にかかっているんだ」