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無線通信制限ルールは「ばかげている」とF1ドライバーたち

2016年06月21日(火)16:53 pm

アゼルバイジャンの首都バクーで初開催された先週末のF1ヨーロッパGPだが、レース後に大きな話題となったのがドライバーに対するチームからの無線指示禁止ルールについてだった。

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複雑なハイブリッドシステムを搭載する現在のF1カーは運転するドライバーに対してエンジニアが細かな指示を与えることが必要となっていた。だが、それはレースの主役であるドライバーの存在価値を下げてしまうものだとして、現在ではチームから無線などを使ってドライバーにパフォーマンスに関する指示や情報を与えることが厳しく禁止されている。

■バクーでトラブル解決に苦労したハミルトン

予選でミスを犯し、決勝では10番手からの追い上げを開始していたメルセデスAMGのルイス・ハミルトンだが、レース中にエンジンセッティングに関するトラブルが発生。ハミルトンは無線でチームに支援を要請したものの、エンジニアから返ってきた答えは「ルールで禁止されているから教えられない」というものだった。

もちろん、ハミルトンがそれに対して強い不満を覚えていたのは明らかだった。

レース後、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターはこの件に関して次のように語った。

「結局のところ、あれはスイッチが間違った位置に入っていただけだったんだ。だが、時速350kmで走っているときには何が問題なのかを理解するのはそれほど簡単なことではないよ」

■自力解決できていたロズベルグ

一方、メルセデスAMGは、ヨーロッパGPで優勝を飾ったニコ・ロズベルグも似たような問題を抱えていたことを明らかにしている。だが、ロズベルグのほうはすぐにその問題を解決することができていたという。

ロズベルグは、次のように語った。

「僕はパワーが失われたのを感じて、自分のステアリングホイールを見たんだ。僕はすばやく考えて、どうすべきなのかを理解したよ」

こうした情報を受けて、常に勉強することを惜しまないロズベルグがすぐに問題に気付いたのに比べ、パーティーざんまいのライフスタイルを送っているハミルトンのほうはそれができなかったのだろうという声もささやかれている。

■このルールは見直すべきだとドライバーたち

しかし、ハミルトンはそうした見方に対し、次のように反論した。

「仮にどれほど僕が勉強していたとしても、何がおかしいのかを知る方法はなかったんだ。僕は走りながらずっとステアリングホイールを見ていたし、それは危険なことだ」

「このルールに関してはまた見直されるべきだよ」

そして、この問題に関してはハミルトン同様の意見を持つ者も少なくない。メルセデスAMGの非常勤会長を務める伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダもその1人だ。

さらに、ハミルトンのライバルにあたるフェラーリのセバスチャン・ベッテルも現在の無線通信制限は「冗談」だと批判的であることが知られており、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソも似たような発言を行っている。

さらに、やはりヨーロッパGP決勝で問題を抱えながら、このルールによって問題解決のための情報をチームから受け取ることができなかったと言われているキミ・ライコネン(フェラーリ)も「ばかげているよ」と語ったと伝えられている。

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