2015年F1シーズンを前に、もっとも大きな謎はマクラーレン・ホンダの実力だ。
チームが「サイズ0」と呼ぶMP4-30のタイトなパッケージは、彼ら自慢の出来栄え。ところが問題は、ホンダのF1復帰後、初のV6ターボエンジンだ。先週のヘレス合同テストでは、走行距離もラップタイムもピリッとしなかった。
マクラーレンのデザイナー、マット・モリスは、チームのスター選手、フェルナンド・アロンソにとってヘレスは「残念な」内容に終わったと話す。さっぱりタイトルに手が届かないフェラーリに業を煮やして移籍してきただけになおさらだ。
「でも彼は明るい」とスペイン日刊紙『Marca(マルカ)』に話すモリス。「これから彼は、チームのやる気を鼓舞してくれるはずだ」
5年在籍したフェラーリを後にし、10日(火)に東京で行われた記者会見にマクラーレン・ホンダの一員として出席したアロンソは、次のように語った。「ふたたび新たなモチベーションと最高のアドレナリン・レベルを感じている。この調子で戦いたい」
しかし、アロンソが求めるレベルの成績に達するために、あるていどの時間が必要なのは誰にも隠しようがない。
栄光はいつごろ得られそうか質問されたアロンソは、「できれば早く」と答えていた。マクラーレンCEOのロン・デニスは、「遠くない将来に」1980年代を彷彿とさせる活躍を予想している。
スペインでは、「まずは一勝、それが最初の関門だ」といったデニスのコメントが報じられた。「近々には、開幕戦オーストラリアGPでできる限りの結果を出したい」
アロンソはいう。「ファンの皆さん、今シーズンはぜひ僕らを応援してください」
本田技研の伊東孝紳社長も、ヘレスのトラブルについて言及せざるをえなかった。「いくつかの問題を検知しましたが、現在われわれはエンジン・チューンの最終段階にあります」
「トラブルを解消すべく努力するとともに、開幕戦メルボルンでは、いいグリッド・ポジションからスタートしたいです」
「マクラーレン・ホンダはチームとしてひとつになっています。われわれは、歴史の新たな1ページを始めました。皆さんもどうか大いに期待していただきたいです」
フラビオ・ブリアトーレは、長きにわたるアロンソのF1キャリアを支えてきた一人だ。彼はイタリアで有名なレオ・トゥリーニのブログで次のように語った。「アロンソのマクラーレン入りは、誰にとっても万々歳だ」
「おそらく時間はかかるだろう。だが、ホンダだって企業イメージを落とすためにF1に帰ってきたわけじゃない」
「今年、彼らがどのようにプロジェクトを進化させるか見ものだ。さらに話をするなら、今後を見届けてからだ」